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昔の猫 A

話題:今日のニャンコ

ー旦那さんのお母さんの猫の話ー

旦那さんの実家がある街は今でこそ
お洒落な店やマンションが立ち並ぶ

街になりましたが 昔は狹い路地に
長屋もある下町でした

旦那さんのお母さんは子供の頃から
この街に住んでいて その頃1匹の
子猫を貰ったそうです

子猫は甘えん坊でチィと名づけ
まるで弟が出来たように
いつも一緒に遊んでいました

その頃はキャットフードなどなく
人も毎日何かしらの魚を食べて
いたので その残りを餌にしたり

魚がない時は ご飯に鰹節を
かけただけの餌でした

月日が経つと当たり前の事ですが
お母さんより子猫の方が早く
大人になりかけ

やがてお母さんと遊ぶ事より外へ
冒険に行く事の方が多くなりました

そんなある日 家の前の路地で
チィが知らない人に「あらトラ」と
声をかけられ

また別の日には違う人に
「みーちゃん」と呼ばれ「時々家で
ご飯を食べて行くのよ」との事

つまり今で言う地域猫と化して
いたようで お母さんは弟を取られた
ような気持ちで自分の親に

「私が学校から帰って来るまで
チィを家に閉じ込めていて」と
泣いて駄々をこねたそうです

それでもチィは自由で何処から
焼きたてのシャケを咥えてきたり

2〜3日外泊したり
気ままに暮らしていたのですが

突然 ある日から帰えらなくなり
お母さんは必死に探したのですが
見つかりませんでした

「愛想のいい子だから何処かで
飼われているんだよ」

親の何気ない言葉に お母さんは
傷つき もうチィを思う事は
やめたそうです

それから何年かした冬休みに
お母さんは家の前で友人とボール
遊びをしていて

ボールが家の縁の下に入ってしまい
棒で取ろうと覗いたら1匹の猫が
眠っているように死んでいたそうで

面影はチィに似ているのですが
体はチィより随分大きくて

お母さんはチィなのか
分かりませんでした。やがて帰宅した
父親が死体を取り出した時

その猫が付けていた首輪は
チィの物だったそうです

すっかり小さくなった首輪は
キツキツで年月を物語り

今まで何処でどうしていたのか・・・
それでも最後は家に戻ってきた事に

お母さんは
涙が止まらなかったそうです

昔の猫 @

話題:今日のニャンコ

入院中の事
階段から落ちた お婆さんと同室に
なりました。彼女は落ちた時に

腕を打ち骨は折れてなかったものの
昔 腕を折った時に金属の棒?を
入れたままだったので

その金属棒が今回ぶつけた事で2つに
折れ 先が皮膚から突起し危ないので

切除したそうです その取り出された
金属棒はターミネーターの腕が入って

いるような少し立派なプラスチック
容器に入れられていて

医者から渡された お婆さんは
ちょっと誇らしげに同室の皆に見せて
くれました

お婆さんは 私が猫の事を話すと
子供の頃 初めて飼った猫の話を
してくれました

貰われて来た子猫は顔も性格も
可愛らしい子で教えた訳でもないのに

家の前の田んぼ道で学校から帰って
来る彼女をよく待っていたそうです 

毎日、田んぼから一緒に玄関まで
付いて来て また何処か行ってしまう

ただそれだけの事なのですが
子供の頃 その事がとても
嬉しかったそうです

それから子猫も大きくなった頃
近所の寺で飼われている大きな
ボス猫に

目の敵のように付きまとわれ余りに
虐められるので 知人へ貰われて
行く事になり

彼女も戦争で疎開したりで その後は
分からないままだったそうです

私は その子猫を見た事もないけれど
田んぼの所で待ってる その子猫が
目に浮かびました

どんな思いで彼女を
待っていたんでしょうね・・・

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