夕暮時、あなたと、



あれから
斎には休憩の度に声をかけて貰ってばかりで、自分からは声をかけられていない。
今日こそはと、勤務上がりに彼を探す。

基地の四隅の生垣で彼を見つける。
しゃがみ込んで歌を口ずさんでいた。
彼のこんな素朴な一面に、自然と笑みが浮かぶ。
よく見れば、地面にちりばめられたひよこ…らしき落書き。

「かーらぁーすー」

カラスの歌か、懐かしい…
でも、どこか、どこか寂し気な歌声…

「なぜ 鳴くの」
いや、懐かしがっているところじゃないな。
時間があまりない。
歌っているところ、邪魔するのも申し訳ないと思いながらも声をかけることにした。

「斎…」

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4月後半
夕暮れ時の、二人の話。

慶龍サイド→「夕暮れ時、貴方と、

「こころわけ」では、上のように、相手先へのリンク先が表示されている場合、
慶龍サイド、鎮也サイド、それぞれの目線から見たお話になっています。
元のお話は同じでも、互いの心境など違いがある為です。
二つで一つのお話になっているので、リンク先の両方で読んで頂けると嬉しいです。



追記


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