話題:二次創作小説
咎狗の血
シキアキ
END1復活後
「俺はあんたみたいな奴が、大嫌いなんだ。」
言い放った後、アキラはまた思っていることと逆のことを言ってしまったと、少なからず後悔した。
自分が素直なほうではないと思っていたが、まさかここまでとは。
そもそも言い合いになったきっかけは今日の夕飯のメニューをどうするかという、あまりもにくだらないことだった。
しかし、互いに強情な性格のため、結構な喧嘩へとなってしまっていた。
「貴様はいつまでたっても可愛げというものがないな。」
シキの発言に、アキラは我に返った。
男に可愛げも何もないだろうと思いながら、ふと、シキは自分にそれを求めているのかと、疑問に思った。
だが、そんなことを面と向かって聞ける度胸などはなかったし、何より今、夕飯のメニューを決めるほうが先だと、アキラは思った。
「今日は絶対、オムライスにするぞ。」
シキは、相変わらず子供舌の彼に嘆息した。
オムライスなどと、一体いくつの男が言っているんだと思ったものの、すぐに口角を吊り上げた。
「全く、無駄なところで可愛げがあるな、貴様は。」
シキは、呆然としているアキラを尻目に、さらに口角を上げた。
オムライスがいいと言い張る彼には、少し可愛げがあるかもしれない。
その、ふてた言い方も、拗ねた顔も。
シキは、アキラの髪を一撫でし、冷蔵庫にあるであろう卵を取りに、台所へと向かった。
そしてその後、可愛らしく頬を染め、礼を言うアキラに、理性を保つことが一苦労だった。
ご褒美をあげよう
(愛らしくて、愛しいから)