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恋の始まり。


私が都会生活に疲れて
田舎に帰ったのは5月。

小さな田舎町。
こうあるべきと決め
普通、普通を押しつける。
老若男女がうわさ話好き。
そんな田舎が大嫌いだった。


私と元上司がLINEを交わしてたのは私がまだ都会にいる時からだった。

定期的に交わすLINE。
時々、私に会いたいという彼の言葉。
私には距離が遠すぎたし何よりも彼の過去の上司としての姿を思い出すと彼の言葉は本気だとは思えなかった。


礼儀正しくてスーツ姿と笑顔が似合う彼。
いつも優しく手を差し伸べてくれた彼。
田舎の生活に縛られて窮屈になっていた私に普通なんて言葉は人が作った言葉なのだから普通なんて言葉に戸惑う必要なんかないと言った彼。
過去の私は彼に恋をしていた。


そして6月の半ばの土曜の夜。
彼とのLINEで突然逢う日がやってきた。
深夜まで仕事をする彼が爽やかな笑顔で
今日は君の為に切り上げてきた
そう笑った彼に何も変わらないと思った。

彼の車の中でお喋りをした。
時が過ぎるのを忘れ何時間も笑って過ごした。
あの頃と何も変わらないお喋り。
あの頃と何も変わらない笑顔。



だけどそれは大きな間違いだった。
今の俺を知る人には本当の姿を誰にも見せることが出来ないと言った彼への興味から言葉一つ一つ時間をかけて彼の内側に入る私。
まるで心療内科の診察のようだった。

そして躊躇しながらも時間をかけて爽やかな笑顔を脱いだ彼はとんでもなく歪んだ性格に変わり立派な俺様に成長していた。

その時だったと思う。
初めて見た彼の本当の姿に完全に心を奪われた2度目のの始まりは。

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