日常

「伝えてた時間より2時間も早く帰っちゃった…
　家康に連絡しとこ」

「はぁ…早く会いたいな」

………

「ん…」

『あ、起きた』

「ん、家康？
　あれ…、私寝てた！？」

『うん、口開けて気持ちよさそうに寝てたよ』

「嘘でしょ恥ずかしすぎる」

『うん、嘘。相変わらずすぐ信じるんだね』

「嘘なの！？」

『あんたは人のことを信じすぎるんだよ
　俺のことはいいけど他は信じすぎちゃ駄目だからね
　特に男は』

「そういうとこ好きだよ」

『は…？何が』

「内緒」

『…ふーん。じゃあ言いたくなるようにしてあげる』

「え、ちょっ、え？」

『かわい…笑
　好きだよ』

「あ！」

『なに、どうしたの』

「言い忘れてたんだけど…
　私明日友達と遊びに行くね！」

『え、どこに』

「○○！友達のお母さんが
　学校からそのまま連れていってくれるって！」

『ふーん…了解』

「伝えるの遅くなっちゃってごめん」

『それはそう。
　…まぁあんたが友達と仲良くしてるの
　嬉しいし許してあげる』

「…日曜日は一緒に過ごそうね？」

『あ、俺日曜日忙しいんだった』

「え、嘘」

『うん、嘘。一日中一緒に居られるよ』

「ほんとにもう…」

『伝えるの遅くなったお仕置きだよ』

「うっ……」

『まぁ最近友達と遊んでなかったんだし
　楽しんできなよ』

「うん！」

「…まってこの家康ビジュ良すぎない？
　欲しいけどバイトできないし…うーん…」

『…また見てるの、それ』

「っ！？い、い、いつから、」

『この家康ビジュ良すぎない？あたりから』

「最初からってことね…
　そりゃ見るよ、家康と私の思い出だもん」

『はぁ…にしてもまさか俺たちのことが
　ゲームになってるなんてね…』

「そうなんだよね…時系列がよく分かんない」

『まぁいいや。で、それどうするの』

「え？」

『ビジュ…がいいんでしょ』

「あ！うん！
　この家康ほんとにかっこいいから欲しいけど
　お金がなぁって」

『ふーん…
　ていうかさ、俺がいるから良くない？』

「…そりゃそうだ」

『…そんなに見てどうしたの』

「家康が構ってくれないから寂しいなぁって」

『あと少しでこっち終わるから待ってて』

「やだ
　少しだけでいいから今構ってほしい」

眉を下げて困ったような笑顔で
『…しょうがないね。ほら』

家康が両手を広げてこっちを向く

「…ん」

「私ね、家康にこうやって抱きしめられるの
　好きだよ」

『ふーん』

「家康は？」

『…俺も好きだよ
　あんたのふにゃふにゃした笑顔もね』

「なにそれ笑」

家康の胸に頭を押し付ける

………

「さっきは困らせちゃってごめんね」

『あんたの我儘聞けるのなんて俺くらいだからね
　しょうがないからこれからも隣で聞いてあげる』

「…大好き」

誰よりも強くて優しい君が好き