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一言で言えるような人間

ああ、春がきた
君の好きな季節でしょう？
君が好きならわたしもすきよ

ここはねまだすこしさむいよ
みんなまだ寝てるかな

あのさあ
地下鉄で居眠りしてる背広のオジサンとか
まつ毛ばさばさのおねいさんとか
楽しげに手を繋いでる親子連れとか
みんなみんな心臓がドキドキしていて
いつかは止まっちゃうんだっておもうと
すこしこわいよね、こわいなあ
もしかしたらわたしと君だけなんじゃないか
って、勝手に思ってた。

海の向こうの、ガイジンさんも
向こうでの生活があるんだっておもうと
わくわくすんねえ。
もしかしてガイコクなんてないんじゃないか
って、勝手に思ってた。

わたしの世界は、たったこれだけ
わたしときみだけ
いきているのも、すんでいるのも
ふたつだけ
だからさ、きみがいなくなったら
しんじゃうかもよ？わたし。
だってひとりぽっちはさみしいよ
要するにね、
きみのペットになりたいんですよ
ばーか。

送別会

はじめての二次会
たのしかった
おさけ のめないけど
好きなオジサン方と行ったから
最高におもしろかった
下ネタも適度に 言ったから
引かれたかな
あと 泣いてしまった
わたし 意外に泣き虫だったのだなあ
慰めてくれたけど
アレは 悲しいのではなく
緊張でｶﾞｸﾌﾞﾙしてたから
なのですよ
勘違いしないでくださいまし！
はあ タノシイナア
ずーっとこの時が続いてもよいのに
そうおもった
でも たのしくないから
こういうのが
すごくたのしく感じるんですよね
だから タノシイのはたまにでよい
ねよう ねむいや
おさけ のめるようになりたいなあ

だきしめたい

さいきん、コウハイに好かれて
こまっている。
だって、わたし、なんにもしてないし
いい人なんかじゃない。
わるい人でもないとおもいたいが
とにかく、わたしは、
誰かに好かれるような
ニンゲンではないのです。
あまり、こう、慕われた経験がないので
どうしたらよいのか、わかりません
なんでだろう。
なにか、裏があるのか、と
うたがってしまう。
だって、縁もゆかりもないのですよ。
部活、していなかったから
仲の良いコウハイなぞおりませんでした。
それどころか、同い年のトモダチもあまり居なく、
半分くらいは引きこもりで、
アニメやゲームや漫画に夢中になっている、
をたくなのですから。
それが今更、何故でしょう？
ニンゲンカンケイむつかしい。
コウハイは大学進学が決まりましたから、
もう少し経てばわたしのことなんて
すぐに忘れてしまうでしょう。
それを待ちます。
きっと彼女には楽しい学校生活が待ち受けているでしょうね。
わたしのことなど、はやく忘れてしまえばいい。

星座

満天の星空を、寝ころんで見てたんです。
星座がたくさんあって。
くじら座とか、あとなんだったかな、
おうし座もあったかな。
くじら座なんて本当にあるのか
わからないけれど、
でもすごくきれいだった。
流れ星も、たくさんたくさん降ってた。
みんなにも見てもらいたかったなあ。
わたしの稚拙な文章じゃ、
とても表現できないくらいきれいだった。
星座のなかにわたしは浮かんでたのかも。
しあわせだったなあ。
今日もひとみを閉じて、想像する。
いつの間にか眠りについて、
夢の中じゃなんだっておもいどおり。
ねます。

めんせつしけん

ぐわーこわいです
環境かわるの、こわい
知らないひとと話すのこわい
この世界で知らないのわたしだけ
ずっとここにいたから
窓もないところ
ずっとここで
たちどまっていたいけれど、
それはむりなんですね。
明るいふりしてわらわなきゃ
お化粧して出掛けなきゃ
知らない街の知らない人に
会いに行かなきゃ
なんにも考えたくはなかったんだ
でもでも
不安ってやつが陰で見てる
わるいモーソーばかりしている
めんせつしけんで何を言うか、
まったく考えてないの
お金もらっていきている
なんのため？とか
見も蓋もねえなあ。
いきているからいきている
ショバ代払うので精いっぱいだ
居場所守るので精いっぱい。
おとなってこういうこと。
おかねをかせいで守ってる
いろんなもの。
大事なものは一個でよかったのに
わたしも増えちゃった。
なくしたらいやなもの。
いつの間にか両手じゃたりない
お金があれば守れるから
めんせつしけんがんばらなくては。