違うよ
ぱんだだよ
ぱんだ。
パンダ
かわいそうだったから
布でぐるぐるまいた。
まいたまいたぐるぐるまいた
布を
布で
まいた
少し安心した
ぬのをぬのでまいた
糸といとがからまって
かたまって
少し安心した
ぱんだだよ
でも
ひつじに会った
白い花と
悪夢と柵の向こう側へ
ひつじもやっぱり
布だったけれど
少しだけ
満足したから
真っ白にはなれないけれど
真っ黒にもなれないけど
それでいいと思った
それしかないから
それでいいと思った
ごめんね。
ぎざぎざとしたいきものは
裏と表を覆う棘で威嚇して
いつの間にか空洞の中
しらない生き物に
かこわれてしまったみたい
見たくないからそこを
白い布で
ふさいでとじたことで
ようやく安心した
ここにある
ここにいる
い
な
い
ない
ない
ない
ないもおなじだから
不安ときえた
しろとくろ
懐かしい夢をみた
もう居ない人へ
