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「初めまして。結城真実です」
数日前から騒がれていた転校生のこと。自分のクラスに来るのだと聞いて胸を踊らせていた順平だが、それが男と知れた途端に興味が薄れてしまった。我ながらわかりやすいと思った。 しかし、転校生が言葉を発した瞬間、その声は聞く耳持たずの順平の耳に、スゥーっと入ってきた。 「『真実』と書いて『まこと』と読みます。よろしく」 視線を感じたのだ。それはとても強く、訴えるようだった。転校生は、真っ直ぐに自分を見ていた。理由は、勿論わからない。 だが、気味の悪さは全く感じず、逆に男からそんな視線を受けてもそんな気持ちにならなかった自分自身に奇妙さを感じたくらいだった。 「(真実、)」 「(まこと、、、)」 そんな名前に覚えはなかった。熱い視線を受けるほどに自分にとってその名前は大きいものなのだろうか。昔に、そんなことがあったのだろうか。 考えながら名前を頭の中で繰り返す。まこと、まこと、まこと、、、、、 瞬間、 『真実…!』 ーーーフラッシュバックする風景、風の匂い、感情。 覚えがあった。 ーーー屋上の景色、春の風、戻らぬもの。 「………真実っ」 「…順平」 「真実なのか?」 「そう、そうだよ」 「お前…あの時…、」 「よろしくね」 にっこり。転校生結城真実は、先程まで厚く纏っていた年齢にそぐわない夜のような落ち着いた雰囲気を脱ぎ捨てて、無邪気に笑った。 -------------------- 二度目まして -------------------- *** ペルソナシリーズテンプレの、二週目設定でした。帰って来たキタロー 真実と書いてまことってどっかで見たよな、何だったけな、と思ったら、CCOですね。グレンカイナー!!! |