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だから、泣くな[最終回後特派]

彼が少しでも癒されますように。



世界が平和を掴んで数ヶ月後。戦争のためのナイトメア作りではない、人々のためのナイトメア作りが目的に変わった特派に、ナナリーが視察に訪れていた。

「ナナリー様、立派になりましたね。」

少し離れたところから、ナナリーを見つめながら、セシルが隣にいるロイドに話し掛ける。

「そーだね〜まあ、無理をしていることはしてるみたいだけどね〜。」

ほらっとロイドが、指差す方向をセシルが見ると。ナナリーに寄り添うゼロに、ナナリーがそっと視線を向けていた。すぐに逸らされたものの、その視線は切なさを含んでいる。

「ナナリー様も気が付いているんですよ、きっと。」

ゼロが誰なのか。セシルとロイドも、もうとっくに気が付いている。ずっと、それこそ一番長く一緒にいたのだ。分からないわけがなかった。

「彼は、頑固で頭固いからね〜きっと、一生ゼロのまま生きるんだろうね〜。」

ロイドさんは、柔らかすぎなんですっと小さく笑うと、セシルは少し寂しそうに頷いた。きっと彼は、一生1人で演じ続けるのだろう。

「なんか寂しいですね。知ってるから余計に何も言えなくなる。かけてあげる言葉一つ思い浮かばないんですから。」

どんな言葉も、ただ安っぽくなってしまうのだ。口に出した瞬間に。

「そうだね〜言葉しゃべれない彼はあんなに簡単に彼を救うのにね〜。」

再びロイドに促され、セシルがゼロを見ると。ナナリーと共に移動するゼロの後ろを、アーサーがちょこちょことずっとついて回っていた。
少し戸惑っている雰囲気が出ているものの、ゼロはそのままにしている。

「………本当に人間って難儀な生き物ですね。」

「そうだね〜。」

いつか、彼にかけられる言葉が見つかるだろうかと、セシルが呟くと、見つかるよ〜っと、呑気なロイドの答えが返ってきた。



今は、言葉のしゃべれない小さな彼が、少しでも彼の救いになりますように。



[だから、泣くな]最終回後特派





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またもや、最終回後の捏造です。
今のうちにこのもどかしい気持ちを、最終回後小話にぶつけようと思います(笑)

本当に幸せになりなさいよ、スザク∨

100年後には好きって言うよ[最終回後ルルスザ]

もしも、天国と地獄が存在するなら。
きっと、僕も君と同じ場所にいけるね。



「本日の予定は、これで以上です。皆様、お疲れ様でした。また明日もよろしくお願いします。」

部下を労う言葉をかけるとナナリーが、ゼロであるスザクをそっと振り返る。すぐにそれを察したゼロは、ナナリーの車椅子を押すと、執務室を後にした。
極悪非道の独裁者がいなくなり、世界は話し合いで物事が決められるようになってきた。残されたナナリーのしなくてはいけないことはとても多い。
ナナリーを部屋に送るとスザクは、一言も発することなく部屋から出て行こうとする。彼女は、あのルルーシュの妹だ。きっと、ゼロの正体にも気付いているだろう。
でも、それでもスザクは枢木スザクである顔を出すつもりはなかった。

「あ、あのスザクさ………いえ、ゼロ。おやすみなさい。」

「…………。」

一礼だけするとスザクは、ナナリーの部屋から出ると、自分の部屋に歩きだした。
大丈夫だよっとスザクは、心の中で呟く。ギアスは、まだスザクにかかっている。ルルーシュの願いは、スザクの罰はまだスザクの心の中にある。
ルルーシュの最後の願いは、必ず守るとスザクは誓った。正義の象徴であるゼロの仮面は、死ぬまで被り続けるつもりだ。
最後まで完璧だった頭の良い彼。ルルーシュの思う通りに、世界はとても優しくなった。

「でもね、ルルーシュ。一つだけ君は間違った。」

人の出入りが出来ないように厳重にロックがかかった部屋にスザクは戻ると、仮面を外しながらそっと呟いた。
そう、ルルーシュは一つだけ間違えた。
ナナリーは、あれから一度も前みたいには笑わない。クラブハウスで、見せていた笑顔はもう失われてしまった。それは、ルルーシュが居ないから。

「ナナリーは、強いよ。僕や君よりもずっと………でも、君が必要なんだ。」

心から笑うのには。君が居ないのだと、スザクはそっとマントを床に落とした。

「にゃー。」

「!?」

突然の猫の声に、スザクが咄嗟に顔を隠して声の方を見ると。そこにはどうやって入り込んだのかアーサーが、床にちょこんと座っていた。

「にゃーん。」

「………もう居ないよ、アーサー。枢木スザクは、もういないんだ。」

そんなスザクの言葉を聞いていないのか、分からないのかアーサーは、近くにあったソファーを経由して、スザクに飛び付く。

「う、わぁ!?」

持ち前の運動能力でアーサーをキャッチしたスザクの、腕の中でアーサーが満足そうに鳴き声をあげる。
温かな体温を、ぎゅっと抱きしめながら、スザクはそっと目を閉じる。

平気だよ。願いは必ず守るとスザクは再び心の中で違う。

「………だから、少しだけ待ってて。ルルーシュ。」

この世に、天国と地獄が存在するなら。きっと、スザクとルルーシュは同じところにいくだろう。
また、一緒に居られる。今度こそすれ違うことなく。


だから、待っててよ。ルルーシュ。
すぐにいくから。

地獄で待ってて。



[100年後には好きって言うよ]最終回後ルルスザ





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25話をみて、うっかり思いついてしまった話です。
スザクがゼロを演じきり、生き抜いて、いつかルルと同じ場所にいけるといいなぁという願望でした。

色々やっちゃった二人なので天国はないかなっと、でも一緒ならどこでもいいかなって。

ああ、もう幸せになれよ(笑)

膿んだこころが涙する[ライルと刹那]

世界はとても残酷だ。



「刹那。俺は、おまえが嫌いだ。」

彼の声に刹那は、じっと彼を見つめた。顔も声もすべてが、刹那を好きだと言った彼と同じだというのに。
刹那の前にいる彼の口からは、刹那を否定する言葉しか出なかった。
刹那には、いつだって笑顔を見せてくれていた彼と同じ顔が、刹那のすべてを否定するかのように歪む。

「ニールが許しても、俺は許さないよ。」

刹那が心から安心出来た彼と同じ声が、憎しみを呟いた。


世界はとても残酷だ。
きみがどこにもいないから。



[膿んだこころが涙する]ライルと刹那





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すごい短文ですが、二期妄想でした〜仮に、二期の彼がライルだとして(まだまだ諦めないけど・笑)ニールは刹那を許したけど、ライルはどうかなって思ってちょっとだけ妄想(笑)

さよならは私に言わせて[仲良しラウンズ・ほんのりシリアス]

1秒でもいいから。



「なあなあ、スザクにアーニャ。」

いつものように、スザクの部屋に入り浸っていたジノが。読んでいた本から顔をあげ、二人を呼ぶ。
ジノ同様に私物を持ち込み携帯を操作していたアーニャと。もはや、二人を追い出すのを諦め、アーサーと遊んでいたスザクがジノの方を見る。

「スザクとアーニャはさ、オレより一秒でも長く生きてくれよ。」

「………?」

急に言われ、何が言いたいのか理解出来なかったスザクとアーニャが、同時に首を傾げる。同じ動きの二人に苦笑しながら、ジノは手に持った本を差し。この本に、大切な人を失った主人公のシーンがあったのだと言うと。

「オレは、スザクとアーニャを失いたくない。」

だから、1秒でも長生きしてくれと、もう一度笑ったジノに。今度は、アーニャとスザクが同時に口を開いた。

「………ヤダ。」

「………イヤです。」

見事に揃ったそのタイミングに、ジノは思わず絶句する。

「な、なんでだよ?」

即答はないだろっと嘆くジノに、アーニャとスザクがやはり同時に口を開く。

「………私もジノとスザクを失いたくない。」

「………僕もジノとアーニャを失いたくないよ。」

「………?!」

全員で同じことを願ってしまい。思わず見つめ合ってしまった3人は、一瞬だけ黙ってからすぐに。お互いを見ながら、笑い出した。


失う痛みを残さないために。勝手に逝くことは許されなかった。



[さよならは私に言わせて]ラウンズ





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13話見てから、ぽちぽちと打ってみました〜ちょっと、文章が乱雑になっちゃったけど。仲良しラウンズでした∨

キャラメル味のキスで[11話後ラウンズ]

温かい場所がここにある。



「アーニャ。大丈夫か?」

モルドレットとトリスタンがドッグに収容されるとすぐに。トリスタンからジノが飛び降りてきた。同様に戻って来たランスロットからも、スザクが降りてくる。

「………平気。」

機体の損傷はあるものの、アーニャ自体にそれ程被害があったわけではなく。少し首が痛いくらいで。平気だとゆっくりとモルドレットから降りて来たアーニャに二人が駆け寄った。

「よかった〜すごい心配したんだぞ。ん、でも一応医務室行った方がよくないか?なぁ、スザク。」

思ったよりも元気そうなアーニャに安心したジノに、スザクも深く頷く。

「そうだよ、アーニャ。念のため検査した方がいい。」

何だったら、背負って連れて行こうかと背中を向ける、スザクに。ジノが両手を広げると、女の子はお姫さま抱っこだろうと手を差し出してくる。

「………………。」

心配性な仲間たちに、アーニャは小さくため息を吐いてみる。それは決して不愉快なそれではなく。幸せなそれで。

それから段々本題からずれていく優しい仲間ふたりの言い合いに少しだけ呆れながら。アーニャは、医務室に向かって歩き始めた。
自分の足で。


温かくて優しい場所は、彼らの近くにあった。



[キャラメル味のキスで]仲良しラウンズ





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11話より捏造〜アーニャをジノとスザクが心配して嬉しかった記念(笑)
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