子どもじみた感傷を指の先に乗せて、手前10センチをなぞるふり。
ふちどる空気の鋭さで切れた指先を握りしめた。
触れたい、触れられない、触れたい。触りたい、触れない、触りたい。
どうか気づかないでいて、このまま目覚めないうちに。
上書きできないならしなきゃいい。別に保存しておく賢さ、を身に付けられない大人。
目隠し、見ないふり。
うつろであいまいなままのきもち。
言葉にして真実になって、その次は?見えない、見たくない、見たい。
嘘をつくことばかり上手になった唇で、何を話せばいいの。
噛みついてくる瞳の色に気を取られるばかりで、次の言葉が見つからない。視線が宙をなぞる、のを阻むような色。
知ってる?目は口ほどに物を言う、って。




上は私の実際ではなくて、創作に使いたい断片。このままは使わない気がするけど。
頭の中でぐちゃぐちゃになった言葉は映像と直結している感じ。吐き出して吐き出して吐き出したその先、何もなくなったと思っていたのに。きっとまた吐き出すの。ちょっとしあわせな気分。