「べつに来なくて良かったのに」今日が終わるまであと20分を残してやってきた赤髪の死神に、抱き込まれながら悪態をつく。来て欲しい、なんて、本当に思ってなかったのに。可愛くねぇなと笑う男のらしからぬ穏やかな声に「間に合ったんだから許せよ。…誕生日おめでとうな」と告げられて思わず抱き締め返した腕が、悔しいけれどきっと答え。