スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

エンゼルランプ(ロクティエ前提ティエリア)



※23話後












本当に大切なものは失ってから気付くと誰かから教えられた気がする…




自室に戻った瞬間、いままで堪えてきた涙が一気に溢れだした。

「う…うぅ…」

頭に何か固いもので殴られた痛みがはしりうまく呼吸が出来ない。

「っ…う…ロック…オ…ン」



『ティエリア、お前ちゃんとメシ食ってるのか?いざという時に体もたねぇぞ?』

『お前のせいじゃない。ミスは誰にだってあるさ…』


いつも他人に優しくて
いつも自分の事より他人の事を気にかけていて…



そんな彼にいつも素直になれなかった。



『大好きだよティエリア』

『笑えない冗談ですね』
(ちがうの…)


『俺がお前を守ってやる』

『慎んでお断りします』
(ちがうの…)


『愛してるよ、ティエリア』

『俺は嫌いです』
(ちがうの、ちがうの、本当は)


「愛…してるの…」


本当はずっと前から分かっていた。あなたの優しさに慣れてしまうのが恐かったの。


行き場のない想いが涙と言葉になって溢れだす。


「ロック…オン…ロックオン…」


髪をとくその大きな手も

好きだの愛してるだの言う唇も

ぎゅっと抱き締めてくれたその胸も

私にはもう触れることは出来ない。


「うっ…ロックオン…」


「あ…い…」

「あ…いたい…あいたいロックオン」











(もしこの世界が一つになったら、この想いを伝えにあなたのもとへいきます。だからその時は…)




(おかえり…ティエリア)







END
前の記事へ 次の記事へ