スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

49巻の感想代わり文

以下、ネタバレ注意。






運動会で行われた委員会対抗
借り物競争で保健委員は
「美人」を引き当てました

で、厳重(?)な話し合いの上
伝子さんをお借りすることに!




それを見ていたユキちゃん



(ちなみに、六年生の近くでアナウンスしていたと仮定します)




留「美人で伝子さんを選ぶとか…ある意味で乱太郎と数馬も勇気あるよな」


仙「しかし一番平和な選択だが」


ユ「何が一番平和な選択ですか」


留「ユ、ユキちゃん!?」


文「アナウンス良いのか?」


ユ「保健委員が間抜けな選択をしてくれたおかげでアナウンスする気が少し、失せました」


留・文・仙・長
―お、怒ってる……



以下、ユキちゃんの恐ろしい一面を勝手にさらし出します。



ユ「…何が悲しくて、伝子さんに負けなきゃいけないのよ。サラサラヘアーランキングだって伝子さんに負けてるというのに、伝子さんならくのいちから文句が出ない?ふん、出なかったら解決だと思ったら大間違いよ。これから何日もかけて私を選ばなかったこと後悔させてやるわ。特に乱太郎…!」


留「ひぃい〜殺意が出てる」


ト「笑わせてくれるわ、ユキちゃん。この場合選ぶんなら、この私じゃないかしら!?」


ユ「何言ってんのよ、トモミちゃん!!私よ私!!!」



仙「ややこしいことに
なってきたな…」


ト「あ〜ら、この前お化粧を美しく出来なかったユキちゃんが選ばれるとは思えないけど」


ユ「そんなの保健委員が知る分けないでしょ!何よ、トモミちゃんだってこの前タカ丸さんから髪の手入れなってないって叱られたくせに!」


ト「ていうかユキちゃん、乱太郎に美人だって認めて貰えなかったのが悔しいんじゃないの?そうよねえ〜、強引に付き合わせてるような感じだものね」


ユ「べ、別に乱太郎に期待なんかしてないわよっ!アンタだってこの前きり丸とデートだって喜んでたらバイトの手伝いだったじゃないのよ!!」


ト「あ、あれはきり丸の照れ隠しよ!」




以下、2人の壮絶な喧嘩が
続きますが割愛致します。



留「…ただのノロケになってるぞ」



お粗末!
49巻最高過ぎました!

何が甘くて何が優しいか



「雑渡さん殺したことありますか」



僕をひざに乗せてる雑渡さんは
いきなりの僕の質問に右目を
少しばかり、開かせた。
そして長く、長く、息を吐くと、
気を取り直しこう答える。



「一応、忍者だからね」



そうだ。忍者なのだ。しかも、
この人はあのタソガレドキの
忍者隊に頂点に立つ立場にある。
だから殺したことがあるなんて
聞かなくても分かるはずなのに。



「…ずっと昔、忍術学園に来る前に
僕の住んでいた村で難病に襲われた
人がいたんですけどね」


「………………へえ?」


「あまりに酷いところまで症状が
進んでしまっている病人を見て
医者は何て言ったと思います?」


「…………何だろうね」


「このまま楽に死なせてやろうと」




それはつまり。命を救うべき人間が
その義務を投げ出したということ。
どんな病気になっても、絶対に
治してくれる、すごい、すごい人。
故に裏切られたようでイヤだった。



「苦しんでいる人間を無理に
生かすのはかえって可哀相だって。
だったらいっそのこと殺してあげた
方が、その人間のためだと」




そこで一旦、言葉を切って
大きく息を吸い上げて、一番
言いたかったことを口にした。




「もしかしたら、殺すってすごく
優しい行為になるんじゃないかと」


悪人を処刑するなんてよく聞くけど
それって、考えてみたらあの世へ
逃がしてあげてるってことに
なるんじゃないかって考えちゃう。



「生きることを強いてる立場にある
僕よりも、殺してあげてる雑渡さん
の方が優しいんじゃないかって、
……そう考えたんです、僕」

それまで黙って僕の話を聞いて
いた雑渡さんは、しばらく考える
そぶりを見せたかと思うと、
やがて僕の手を握りしめて来る。


「私は君に助けられて本当に
感謝しているんだけどねえ。
だから君とこうしていれるのに」


言いながらできるだけ優しく
僕の手を取った雑渡さんは、
指先に、口づけしてきた。


それは、図書室で借りたとある
異国のお伽話に出て来た場面と
全く一緒だったから、不覚にも
胸がドキッとしてしまった。


「殺すってことは、そこで存在が
止まってしまうってことだろう。
だいいち、あの世があるかどうか
怪しいというのにねえ」


…確かに、あの世だとか極楽とか
地獄や冥土とかって話に聞いたこと
はあっても、この世で見たことは
僕だって実際にはないけど。


「少なくとも私は、あの時に怪我
していた私を助けてくれた伊作君を
優しくないと思ったことはない」


優しいっていうよりも、あの時は
もう無我夢中だっただけだけど。



「この世にまた留めさせてくれた
君を、私はこれからも感謝するし
また愛しつづけるだろう」




だったら逆に殺していたなら
どうなっていたのかなあ、なんて
でも殺してしまっていたら、多分
今みたいに雑渡さんと一緒の時間
過ごせなかったのかも知れない。


「……雑渡さん」


「うん?」


「少なくとも、貴方を助けたのは
間違いじゃないって思えました」


「へえ。それはよかった」



何が甘くて優しいかまだ完全には
わからないけれど、でもきっと
雑渡さんの命これからも救うと思う。




…かつての医者が言っていた言葉を
言わなければいけないその時まで。


               fin.
前の記事へ 次の記事へ