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なれそめ 12


その日も、ちいとはいつもの場所で会いました。

ちいが学校から帰ってくる時間に合わせて、駅で待ち合わせて。



座って、ぽつぽつと話をします。



もう、話した内容もよく覚えていません。


途中から、私が辛くなってしまいました

ちいは、ポーカーフェイスの私の表情を、読み取るようになっていました。


つらいのがわかって、抱きしめてくれました。





私は、言ってしまいました。

つらく、きつい、切ない声で






『ちい。私たち、付き合おうよ…』






ちいは、強い力で抱きしめてくれました。





『もういい。


彼女に内緒にしてもいい、伊久のこと守りたい。』





守りたい

と、言ってくれました。





嬉しくて

嬉しくて



嬉しかったです。




後日、ちゃんと私から告白をして、お付き合いが始まりました。



こうして、私とちいは付き合っています。




今幸せです。




ちいは、すごく大人です。


人間欠陥製品の私と、お付き合いしてくれています。



なれそめは、私の記憶が曖昧なのもあり、ちょっと定かではない部分もありますが、ご了承下さい。




長い長いなれそめ、これで終わります。


読んで頂き、ありがとうございます。


明日から日常に戻ります。



なれそめ 11


その日を境に、私の体調が、急激に悪くなりました。

精神的に、です。


ちいと、会わないとつらい。

でも、ちいと離れるのがつらい。



胸が常に、ちくちく。



食欲もなくなります。


食べなくても、いいや。と思っていました。



ちいも、つらかったと思います。
彼女に、彼氏が出来ていたことも。
ちいの行動と気持ちを受け入れてもらえなかったことも。
すごく、つらかったでしょう。


私が支えてあげることが、出来ませんでした。



その月の下旬。

ちいが、『仕事終わりに、会いに行くよ。』

と、連絡してくれました。


単純に、嬉しい。



私は、ちいと買い物をしに行きました。


そこで、私が常に付けているブレスレットを、ちいにも買うことにしました。

石を選べる、ブレスレットです。



不安にならないように、手首だけはお揃いに。


恋人じゃないのに、お揃い。



すごく、虚しくなりました。




翌日、無神経なはずの欠陥製品が壊れます。


なれそめ 10

ちいの電話が終わるのを、待ちました。



ちゃんと伝えられてるかな。

泣いてないかな。


ずっとそわそわしていました。



しばらくして

『電話終わったよー。』

と、連絡が来ました。


意外と元気そうで安心しました。




しかし、ちいが一言。


『伊久と付き合うこと、やめろ、って言われた。』



『なんで?』

疑問でした。



彼女が言うには。


ちいと彼女が別れたのは、同性愛に将来を見れなかったこと

ちいの持っている男性に対する心の問題を、解決するのが先、ということ

自分が好きだったちいには、ちゃんと幸せになってほしい、ということ



納得することもありましたし、正論です。

ですが、苛つきました。


『お前には将来がない』と、言われてるのと変わらない、と感じました。



ちいは、好きだった彼女にたくさんのことを言われて、混乱していました。

好きな人に、幸せを願われて嫌なワケはない。

だけど、伊久とは付き合うな、と言われて、ちいは
『いやだ。』
とは、言えませんでした。


『好き、ってなんだろう』

『付き合う、ってなんだろう』


ちいはずっと考えていました。




私は、隣に居ることすら、出来ませんでした。


なれそめ 9

自分がバカなことをやって、1週間も経たない日。


『彼女に電話しようと思う。』

と、ちいが言いました。



彼女にこれまで言えなかったこと。

今ちゃんと、幸せか。


ちゃんと、話したい。




その話が出たとき、私はちいに付き合ってほしい。と告白まがいのことをしたと思います。

ちょっと記憶が定かではありません。
申し訳ありません。


ちいは。

私のことは好きだけど、それが本当に好きなのかわからない。
つい最近、大好きな人を失ったばかりだから、好きになるのも怖い。

自分の胸の内を、ちゃんと話してくれました。


私より、ずっとずっと大人です。


自分の存在が嫌になりました。



それでも、ちいは彼女に私の存在も伝える、と言ってくれました。


無神経の人間欠陥製品より、ちゃんと人間が出来ています。
嬉しかったです。単純に。


後日、『電話してくるね。』と、連絡がきました。


ちょっとドキドキしました。



なれそめ 8

ちいは笑顔だったけど、心は悲鳴を上げていたんでしょう。


ちょっとした表情の変化があったんだろうけど、私は気付いてあげれませんでした。


彼氏ができた、ちいの彼女のことが嫌いになり、私のちくちくは酷くなるばかり。

欲求不満もつのっていました。お互いに。



無神経だった私は、ちいに

『キス、したいなぁ。
でも、恋人じゃないもんね。』

という、当時の私がそこにいたらぶん殴りたいくらいの無神経さでした。



『私も、したいよ。』


ちいは小さな声で言いました。



私はバカでした。

何も考えられなかったです。




一度したら、後戻り出来ないことぐらい、年上の私が知らないといけないことだったのに。


その日は、一度だけ。

口にキスしてしまいました。



急激に、ちいのことが好きになっていきました。


胸のちくちくは治まりませんでした。


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