■柔軟さと頑固さ

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「近代日本の経済的発展は、先進国である欧米の技術やシステムを巧みに取り込み日本流にアレンジして使用したのが要因」
多少のニュアンスの違いはあっても、よく耳にする言葉ですね。
しかし、こういった日本人の特徴は今に始まった事では無さそうです。

古代東アジアでの超先進国は、もちろん中国。
日本の前身である大和も、文化的には当然中国の影響を受けています。
ただし、根本的な違いがあります。
中国の政治システムの基本は「天人相関説」と呼ばれています。
地上の王が徳を持ち善政を行えば天は祝福し、王に徳が無ければ世は乱れる。
このため、徳の無い王は倒して交代するという王朝交代が実現!
その度に、国中ひっくり返したような乱世が出現するわけです。
ところが、日本人は他の政治システムは受け入れたものの、徳と云う概念は王の条件として受け入れません。
世が乱れるのは他……例えば、怨霊に原因が有る事にして、王になる条件は頑固に血統を最優先します。
結果的に良かったのか悪かったのかは別にして、血統という考えは根強く残ります。
日本史上、王・天皇家に取って代わろうと考えた人物は、わずか数人しか記録されていません。
そして、全て失敗!
これは一つの例ですが、ともかく古代から日本人は文化や技術だけではなく、あらゆるものを自分流にアレンジして取り込むのは得意なようです。

ともすれば、諸外国から良くは思われない日本人の柔軟さと頑固さですが、日本古来の民族性だと胸を張っても良いのではないでしょうか?
小松左京のベストセラー「日本沈没」は、国を無くした日本民族が描きたくて書き始めたプロローグがあんな大作になったとか。
でも、日本民族がこういった特質を持ち続ければ、どこで暮らしても生きられるような気がしますよ。

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