高校へ向かう電車の中...
その日は寝坊をして一本遅い電車になってしまっていた
普段からギリギリの電車で向かっていたので、一本遅いと同じ学校の生徒は皆無な状態だった
いつもは同じ学校の制服で賑わっている車両なのに一本遅れたことで他校の学生やスーツを着た人ばかりしかおらず、僕はさみしい気持ちでいた
そんな中、1つ目の駅を過ぎてふと横をみると、隣の車両で手すりにつかまり立っている同級生のYの姿を見つけた
うれしくなった僕は通勤時の比較的混んでる電車の中にも関わらず、彼の後ろにまわり、彼のお腹に手をまわし、バンバンと後ろから腰を振って股間を当てる¨朝の挨拶¨代わりの変態行為にでた...
まぁ思春期の男子だし、友達みつけてうれしいし、いつもふざけている仲間だし、僕は周りのことなどまったく気にしていなかった
だが、いつも学校ではふざけているYもさすがに電車の中では恥ずかしかったのか、手すりにつかまり、僕にされるがまま、バタバタ前後に揺れながら完全に無視を決め込んでいた
人の心理というか、僕がアホなのか、そうなるともっとやりたくなってしまう僕は¨腰振り¨をより一層激しくした
『おぃおぃおぃおぃ〜っ』
奇声をあげ、完全に調子にのった僕はおふざけの頂点に達し、部族のダンスのように『うっほうっほ』とリズムを変えて腰を回しながら股間を当てたりしていた
数秒後...さすがに頭に来たのか、Yが振り返って僕に言った
『何かの罰ゲームですか?』
全然知らないヤツだった...
同じ学年でこんなヤツいたのかってくらい、心の底から知らないヤツだった
『だ、誰、お前...』
焦った僕はいきなりそんな言葉が出てしまった...
彼は口も聞きたくなかったのか、冷静に刑事のように生徒手帳を出した...
『ど、どうも...はじめまして』
彼は当然無視していた...
僕は彼の背中に一礼し、そっと隣の車両に移った...
彼とはその後一度もしゃべっていない...
小学校何年だったか、春休みのある朝
僕はおばあちゃんと一緒に教会に訪れた
するとそこには、このブログにも度々出演している¨伝説のTくん¨が先に来ていた
春休みで何日かぶりにあったからなのか、Tくんが僕に久しぶり〜っ的な感じで手を振り全力で駆け寄ってきた
がその瞬間...
パントマイムのように2D的な平面状態になったTくんが、「ビタンッ」と言う音と共に一秒ほど時を止め崩れ落ちていく姿を僕は目にした
彼は恐ろしく磨かれた透明なガラスドアに気づいていなかった...
数秒後...顔面をおさえたTくんがガラス越しに泣き始めたのが見えた
僕は不謹慎ながらも、一連の出来事を理解した瞬間から爆笑の波が襲ってきていた
しかし、鼻血を出して顔面をおさえているTくんを見て笑うことは出来ず、かといって大丈夫?とも声もかけれずその場に立ちつくしていると...
「あ、あんちゃーんっ」
どこから現れたのか、鼻血をだし、顔面をおさえ倒れて泣いている兄の姿をみてびっくりした彼の弟Mが僕の後ろで奇声をあげた
2秒後...僕の横を全力で走り抜け、兄に駆け寄った弟Mが兄まで数センチの所でパントマイムを実行...
彼にもガラスは見えていなかった...
今回は後ろから目撃...
兄は一瞬飛び上がって泣きながら笑っていた
弟は気絶していた
まるでイモムシのような形のまま...
僕も気絶寸前になった
僕の友達に小学校から一緒のMというかなりの変わったやつがいる
ある夜、彼は林道を車で走っていると何か光るもの見た
車をとめ、近づくと何かが勢いよく動いたため、思いきり平手で叩いた
『ばちこ〜んっ』の後『バサッ』と音がしてそこに落ちていたものは...
¨気絶したフクロウ¨だった
フクロウは¨夜のハンター¨とも呼ばれる夜行性の鳥らしいが彼はそれを素手で打ち落としたのだ
気絶したフクロウを後ろの座席に投げ捨て家に帰ったMはフクロウを飼うべく部屋を改造した
部屋の隅々に止まり木を作ったり、寝場所としてワラを敷いたりして放し飼いをしていた
名前は¨フクちゃん¨とつけた
フクロウだけにフクちゃん...
非常に安易な名前だったが彼はフクちゃんを自慢し、溺愛していた
餌も自分が食べることを節約してまでフクちゃんに贅沢な食べ物を与えていた
しかし、僕が見たフクちゃんはMにまったくと言っていいほどなついていなかった
その証拠に彼は毎回フクちゃんをつかむのにヘルメットと手袋をすると言う完全防護でのぞんでいた
それでも彼はフクちゃんをかわいがっていた
そんなある日、Mから電話があり...
『フクちゃんが調子悪いから病院に連れていきたい』
と泣きそうな声で言われたので、その日暇だった僕は彼についていった
彼の名字はSだったので、動物病院では『S.フクちゃん』と家族のように呼ばれ診察室に入っていった
何分かして静かに戻ってきたMは何か考え込んでる様子だった
僕はこれはヤバイ雰囲気だなと思いながらも、フクちゃんについてどうだったかと聞くと、彼は病状や診断については一切ふれず...
『フクちゃん、ミミズクだって...』
と言った...
フクロウだけに¨フクちゃん¨だったのに...?
まじか... としか言えなかった
アホらしくなった僕は無言で帰った...
ちなみにフクちゃんはある朝脱走し、二度と帰ってこなかった
Mは新聞に写真付きで、「この子をさがしています。名前はフクちゃん ミミズクです」と載せていた
び、微妙...
見つかるはずはなかった...
夏休みの工作のお題は市の¨創意工夫展¨に出すものだった
僕は散々遊んで最終日にケツに火がついて初めてヤバイことに気がつくパターンのアホ小学生だった
計画性もなく遊べば¨しっぺ返し¨があるのは当然の出来事...
友達何人かに賄賂(キン肉マン消ゴムやクワガタ、カブトムシ等)を渡し、無理矢理手伝わせ何とか他の宿題は終わらせたが、創意工夫展の出品物だけは一日で出来るはずはなく¨時すでに遅し¨だった
それでも無い頭を振り絞って、長靴の裏に接着剤で包丁を付けて、ただのあほコラボレーション¨出刃スケート靴¨を作ってみたが同じ長さの包丁がなく、しかも食卓用の包丁を勝手に使った為、おばあちゃんにフトン叩きでウチモモを思いっきりひっぱたかれる始末だった...
悩みに悩んでパニックになった僕は泣きながら母親の会社に電話した
母親はアホな息子を不憫に思ったのか、すぐに父親に連絡をとり『お父さんが明日までに作っておいてくれるから心配しないでいい』と連絡をくれた
父親はとても手先が器用でいつも日曜大工などもしていたのを見ていた
安心した僕は、先程とはうってかわって心に余裕が出き、弟とふざけまくってから寝た
翌朝...
僕の枕元には父親が夜中に作ってくれたであろう作品が箱に入っておいてあった
中身をみた僕は学校にはいかないと泣きまくった
母親や祖母にひっぱられても散歩を嫌がる犬のようにつっぱって動かなかった
僕はその日から三日...学校にはいかなかった
宿題は弟がすべて持っていった
三日後...
どうにか落ち着いた僕は重い足取りで学校に行くと、教室の後ろにはウマい、ヘタは別として、小学生が自分なりに日常の中にアイデアを見つけ、独創的な感覚で作り上げた心暖まる作品が並んでいた
そんな中、明らかに異彩を放つ1つの作品があった
¨真っ赤なフェラーリ¨
完全にプラモデルだった
創意工夫展なのに、創意はなく、工夫だけをこらして、長いマフラーやエアロパーツ、などをつけられて¨族車¨の様になった真っ赤なフェラーリだった
しかも大きさは50cm近くある代物だった...
先生は飾ってある期間中ずっとその作品をみるたびにため息をつき...
ありえん...
と言っていた
誰よりも僕がそう思っていた...
小学校のある日、ソフトボールの練習を終え帰る時の出来事...
何があったのかわからないが、いつもは友達何人かと帰るのに、その日は一人だった
ちなみに僕はソフトボールチームの副キャプテンを務め、野球チームではキャプテンをし、どちらも春の市の大会でも優勝し、夏も優勝最有力と言われるチームの4番バッターだった
当時は見た目よりスポーツや勉強が出来ることで結構モテることがあったから、僕は結構人気があった...
校舎を出てすぐだったか、ナゼか一年の内に1回あるかないかのビッグウェーブが僕の腸内を襲った
当時は小学校で男子が¨う○こ¨などして誰かにバレたりすれば、すぐに学校中に噂が広まり、あだ名が『う○こマン』になるのは必至だった
しかし、学校から家までは徒歩15分...
刺激しないようにゆっくり歩けば間に合わないし、走れば最悪の結果が早まるだけだった
その頃は今の様にコンビニもほとんどなかったし、田舎でもあったため、お店も少なく立ち寄れる場所もなかった
これはやるしかない...
僕は体育館裏の工事現場を簡易トイレにすることに決めた
僕はティッシュの所持を確認し、周りを確認し、体育館のあかりがすべて消えていることまでも確認した
体を隠すものはなかったが、工事も終わり、いつも人通りはまったく無い場所だったので、僕は急ぎながらも、安心して用を済ませた
厳しい作戦だったが、完璧な成功をおさめた僕は満足してゆったりと余裕をもって帰った
が、次の日クラスの様子はおかしかった
僕は完璧すぎるミッションだった為、前日のことなど忘れてしまっていた...
みんなに何があったのか聞いてみたが笑ってるだけで答えないので、そんな楽しい話は自分にも教えてくれとしつこく聞いた
すると一人の女子が...
『昨日の夕方工事現場にいたよね』
と言った
僕はいきなり前日の事を思い出した
ま、まさか...
完璧な作戦だったはずなのにナゼ...
こういうことだった
昨日、女子がバスケの練習態度がよくなかったため、すべて終わって電気も消した状態で、雑巾がけをさせられていると、体育館の下の窓からユニフォームを来た誰かが走って行くのが見えた
それで女子チーム全員が誰だろうと小窓からのぞくと、そこには当時人気者の僕がいた
みんなは何をするのかとみていると、360度見渡し、バッグを投げ捨てると、いきなりズボンを下ろし○○○をした僕がいたそうだ
しかも見ていた角度は僕の真後ろだったらしい...
ほとんどの女子は悲鳴をあげその場を逃げたらしいが、何人かは一部始終をみていたらしい
その年、僕のあだ名は『野良犬』になった...