「カネダ君、見て見て!」

「わあ。綺麗な石だね。どうしたの?」

「タミヤ君がくれたんだ!」

「……タミヤ君が?」


きら、きら。透明でまんまるで、すごく綺麗な石。でも何でタミヤ君は僕にはくれずにタブセ君にだけこれをくれたんだろう。

タブセ君がずるくて、奪いたくなったけど、タブセ君が本当に大事そうに抱えていたからやめた。僕はタブセ君も大好きだから。


「ねぇ、タミヤ君。僕もあの石欲しい。」

「あ、あんなのただのガラスだよ!」

「ただのガラスなら僕にもちょうだいよ。」

「駄目だ!カネダにだけはやらない!」


僕は驚いて悲しくて泣いてしまった。タミヤ君は何度も謝ってくれたけど、違うんだ。僕はタミヤ君からあの石が欲しかったんだ。

タミヤ君は三人でひかりクラブだって言ってくれたけど、やっぱり僕は仲間外れだ。あの石があればタミヤ君たちとずっと一緒に居られるような気がしてたのに。


「ごめん、ごめんな。カネダにはいつか、ダフの何百倍も綺麗な石をやるから。待ってて欲しい。」





(君にはもっと綺麗な石を贈りたかったんだ。願わくば銀の細い指輪の先に付いた、高貴な石を、)






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