!団兵&左伝前提で左兵の浮気と軽い性描写あり。



− − − − −



ぼくは伝七と、団蔵は左吉と、一年の時からずっと同じ委員会だったから、よく行動を共にしていた。だけど最近、団蔵はなぜか伝七とばかり一緒にいる。しかも決まってぼくに黙ってこっそりと逢っている。

むかついたから、ぼくは当て付けに浮気してやろうと左吉の部屋を訪ねたら、左吉も団蔵と伝七の異常な仲の良さを懸念していたようで、幸か不幸か本当に浮気することになった。




「…集中してるとこ悪いんだけどさ、兵太夫。」
「なに、左吉。動かないでよ。」
「お前らって、いっつもこんなことしてんの?」
「そうだよ。なにかおかしい?」


漸く身動きが取れないように左吉を縛り終え、ぼくは左吉に馬乗りになったまま身を起こして上着を脱いだ。浮気すると決めたけれど、袴を脱ぐのにはまだ躊躇いがあった。


「おかしいだろ。これじゃあ、ぼく何も出来ないじゃん。」
「それでいいんだよ。触りたいのに触れなくて、イきたいのにイけなくて、そうやって苦しそうに悶える顔、好きなんだ。」


左吉の顔がちょっと引き攣ったことに気付いて、ぼくは酷く興奮した。なんだ、別に団蔵相手じゃなくても平気じゃない。団蔵にばかり拘る必要はなかったんだ。左吉も伝七に捨てられたんだろうから、このまま左吉と慰め関係から発展して付き合うのも有りかも知れない。


「……っ、あ!?」


なんて考え事をしていたら、突然、自身に刺激が与えられてぼくは不覚にも高い声を上げてしまった。視線を下に落とすと、にやりと厭な笑みを浮かべた左吉と眸が合う。


「なに考え事してんの。集中しなよ。ほら、」
「や、め…っ!おまえは黙って寝てればいいんだ、よ!」
「やだよ。ぼく団蔵と違ってMじゃないもん。」
「あ、あ、左吉…っ!」


布越しに膝でゆるやかに自身を刺激されて、そのもどかしさに腰が揺れた。団蔵にはこんな事された事なかったから、初めての刺激にもやがかかったみたいに頭が動かない。


「なに。気持ちいいの?」


言葉を返すのも億劫で、こくこくと何度も頭を上下させながら更に好いところに膝が当たるように腰を動かす。気付いたら自ら空いた片手で胸の飾りを弄っていて、すぐに手を離そうとしたけれど体は正直で離れてはくれず、失態に頬が染まる。


「んん──っ!」


散々高められた雄をごり、と一際強く擦られ、ぼくは不覚にも袴を穿いたまま達してしまった。息が弾んで、あまりの気持ち良さに視界が定まらない。気だるさに任せて左吉の体に折り重なるように身を預けると、額に軽く口付けられて、くすぐったくて小さく笑った。

左吉なら団蔵を忘れさせてくれるかも知れない、と本気で思った。寧ろ、よくよく考えたら団蔵より断然いい男じゃないか。顔は男前だし、床上手だし、い組で頭もいいし。ちょっと性格は難ありだけど、団蔵のあの字の汚さに比べれば目を潰れるレベルだ。

意を決したぼくは、本番に突入するべく左吉の袴に手を伸ばす。けれど帯を解こうとした両手は、どうしてかそこでフリーズしたみたいに固まってしまった。と同時に、バン!と大きな音を立てて扉が開かれる。


「………だん…ぞ?」





三ちゃんにぼくが左吉の部屋に居ると聞いて、飛んで来たのだろう。そこには息を切らせた団蔵と伝七が眸を丸めて立ち尽くしていて、ぼくと左吉は言葉を失った。






-エムブロ-