僕はイカルガ。
ご主人様サギの、唯一の忠犬だ。
「わうんっ。」
嬉しい…!サギと明朝のお散歩だ!
ぽてぽてと、僕の柔らかい肉球を地面について歩く。
……白い街道。
サギの住んでる家は、白い洋風の家が立ち並ぶ、その中の一つだ。
等間隔で立っている街灯も、今じゃ朝の陽射しにあてられてその光も目立たなくなっている。
朝露が毛並みに心地よい。
涼しい………
それにサギがいるから、最高だっ。
にこぉっ。と微笑んでサギを見上げると、
(………………あ。)
サギは『じゃーじすがた』ではっはっと走りながらも、その大きな瞳で初々しくある一点を見つめていた。
サギの頬が朱い。
………………そう。
(ご主人………最近変なんだよなぁっ………)
うう〜〜〜っ……僕だけのサギがぁ………
タッ………
(あ。サギの足が止まった…?)
「………イカルガぁ………っ‥」
そう言ってムギュウッと、僕に抱き付いてくる。………むうぅ〜〜〜複雑っ‥‥‥
サギ曰く、「こっ‥‥これは恋だよねっ‥‥‥!」
‥‥‥なんだそうだ。(しぶしぶ了承。)
僕の太い首周りにサギのじゃーじの素材が擦れてくすぐったい。
さて………その恋の相手というのが、
チラ………
サギのつむじ越しに向こうのベンチを見てみると、居る。
蒼い髪に、蒼い瞳。
凜とした雰囲気で………精悍な顔つきの、男。←ここ重要
(………そう!男っ………!)
僕が気に入らないのはそこっ‥‥‥!
そして二人の出会いは一週間前にさかのぼるっ‥‥‥‥
ハッ‥ハッ‥‥
いつものように、サギと朝のジョギングを満喫していたら、ふとサギが、「今日はちょっとだけ遠回りしよう!」なんて言うもんだから、いつもとは違うコースを通り、僕達は木々の生い茂る並木路を走った。
(うわぁ………ここ、走り心地最高っ‥‥‥!!)
地盤はいつもと同じ白いセメントなのに、家の傍よりもつるつるしてる。
さて、周りの木々がカサカサと揺れて音を立てたその時だ。
目の前に、その男が現れたのはっ‥‥‥!
ベンチに腰掛けて、ふん反り返って空を仰ぐ蒼髪。
サギはじゃーじの半ズボン姿で立ち止まった。(毎回思うけどこのサギの生足が目茶苦茶綺麗なんだっ‥‥‥!)
キラキラと、道脇にある小川がその場を眩く見せた。
はぁっ‥‥‥‥
(…………サギ………?)
「ク…ウン……」
その翡翠色の瞳が、何かに掴まったかのようにまっすぐ、遠くを見る。
僕はサギに擦り寄って、それからその目の先に一緒に目を向けた。
蒼髪の男の横に、小さな猫が居た。黒い毛並みに………シルバーの眼光。
そいつが「ナァ」と一声鳴くと、その飼い主の男(そうは言ってもサギよりちょっと年上くらいだ)がそれに気付いて、
ふっと表情を弛めた。
(‥‥‥‥いんすぴれーしょんだ。)
それからくっくっと笑いながら、悪ガキっぽく笑ってその黒猫の頭を撫でる。
その猫は欝陶しげにしてる風で………実は口が緩んでた
(………バカ面………)
はんっ
僕の方が優れているぞと鼻で笑って、「ねぇ帰ろ!」とサギを見上げると、
その顔が真っ赤だった。
まーーー‥そんなこんなで‥‥‥あーーあ,僕にも人間の身体があれば………
ん?
サギの想い人の男の飼い猫が、こっちを見た。
「………………」
その顔がじっと僕を見てきたかと思えば、
次にははんっと笑って上から見られた。
……………………っはぁ………!??
しっ……仕返し……仕返しされたっ………!
「グッ…グルル…!」
「あっ!もうこんな時間っ………行くよイカルガ!」
「キャウン!?」
あ…あああ……ま、待ってこれじゃあ馬鹿にされたまま…………ああああ(泣)
僕はズルズルとリードに引っ張られながら、遠くになってゆく黒猫とその飼い主を見ていた〜〜〜〜っああ、不覚っ‥‥‥‥
「はい!イカルガ、朝ご飯!」
目の前にコトン、と銀の皿が置かれる。
僕の大好きな、ドッグフードだ。
「………………」
「…どうしたの……?イカルガ、元気無いね………」
サギが心配そうな目で覗きこんでくる………
「きゅうん………」
(…どうして…?どうしてサギは、あんな名前も知らない人間のことを、好きになっちゃったの?)
僕の方がよっぽど………
よっぽど、サギのこと好きなのに………!
「わっ………」
ペロペロ、
「あ…あはは、イカルガくすぐったい………っ」
うう〜〜〜〜〜,ひもじいよぉっ‥‥‥‥‥(泣)(泣)
「…………ん、ヌエ、散歩か?あんまり遅くならんようにな。」
コーヒービーカーからコーヒーを注ぐ主人が振り返った。
…オレが家の窓から飛び下りようとしていたからだ。
「分かってる」と意味を込めて頷くと、カラスがあきれたように微笑んだのが解る。
(………さて、敵の偵察にでも行ってくるか。)
ヌエはぴょんっと飛び下りると、タタタッと走り出した。
鷺鴉☆ロア様のリアタイを見てから………書いてた文章。
うーーーん…イマイチ!誰かに続きを書いて欲しい………
とゆうか自分が思い描いてたのとは裏腹に、古典的少女漫画になってしまった…………
他のパターンで頑張ります。こいつの続きは書きません。
いち