話題:毒抜き
■「・・・・と、言うわけで・・・・!!!」

私達はパニク茸の効力を消す”清茸(きよたけ)”を求めて山に入った。

「どーすんだよ、蘭姫。角もネェし”体”も”女”で俺戦えんのかよ?」
戒が腕を組みながらついてくる。

「知るか・・・・!!!!」
怒りマークで振り返る蘭姫の前にはひらひらと蝶々に手を伸ばす里利がいた。

「麗姫様が・・・!”姉さん”が言ったんだから”山”にキノコはあるはずだよ!!」
指を立てて振り返る蘭姫。

その肩には白刃が乗っていた。
「そうだよ」


ちょん。

そんな効果音が似合うだろうか。白刃が蘭姫の肩の上で語りだす。
「僕も清茸は見たことあるから。見れば”すぐに”分かります・・・・!!!」


た・・・確か”清茸”というのは猫耳のような形のキノコで・・・・・・
白刃が続ける。

「ほら・・・たとえばあんな・・・・!!」
白刃が指差した先には確かに猫耳型のキノコのシルエットが見えた。


しかし・・・・・

ガサ・・・・・・



「ルルルルルルル・・・・」

「「く・・・・・熊!????????」」
目の前に現れたのは猫の形のキノコを額に乗せた熊であった、。

「ら・・・蘭姫・・・」
えうぅ・・・・と心まで幼児化したのか里利が蘭姫によろよろと寄る。

「兄さん・・・!!!」
白刃は蘭姫の方の上を離れて自ら飛んでいた。

「よ・・・よし。ここは俺が・・・・・!!!」
スカート姿の、心なしか顔も女性のような顔立ちをした戒が剣を抜く。

「たあー・・・・・・・・!!!!」


バッ・・・・・・・


「・・・!?????」

熊にダメージを与えたと思った瞬間。着地した戒の服が破れる。

「キャァア胸が・・・・!???」
そう言って隠す戒に

「(キャーじゃ無ぇ!!!)」

と蘭姫はまた怒りマークで突っ込んだ。

「あーもう。こうなったら・・・・!!!!」

”私が・・・!!!”
蘭姫が刀を構えなおした時である。

「いや!!!僕が!!!」

小さな白刃が羽根を広げて飛び出した。

ぱたっ・・・・・・・



そして白刃は幻術でカレー鍋を取り出すと熊に向かってこう言った。

「さぁ。熊さん。美味しそうなカレーですよ?」

白刃が笑顔で鍋の口を向けるとくまは「うほっ♪」っとそっちを向いた。

「え・・・・?」

間が抜けたのは蘭姫である。

その瞬間。

「今でしゅ・・・・!!」
里利が駆け出した。


「あ・・・兄さん・・・・!!!!」

そして・・・・・



バッ・・・・・!!!!!


「あ・・・・!!!」
蘭姫の目の前で里利は清茸をゲットした。


と。その瞬間。

「はっ・・・!????」

ポンッっと熊が半裸の男性へと姿を変える。

「私は・・・一体何を・・・・・・」
確かキノコを食べたような・・・・・・・

褌姿のその男性は何か言っていたが。
蘭姫はそれを見た瞬間

「イヤーーーー・・・・!!!!!変態ーーーーーー!!!!」
と男性に向かって技をかけた。


「桜吹雪・・・!!!!」

ズバッ・・・!!!!!!!!!


「あ・・・・・・」
と白刃はそこでソレに気づいた。

もしかして・・・・あの男性は・・・・・・・・


「山の神・・・・!?????」


---

「で・・・・・・」
城では麗姫がため息をついて彼女達を迎えた。

「助けたはずの”山の神”を怒らせてそんな”姿”になったと・・・・・・」

ちょ〜ろ〜ん・・・・・・・

なんと蘭姫達はパニク茸のような着ぐるみ姿に姿を変えて戻ってきた。


”まぁ、”三日”もすれば。元に戻るから。じゃぁね?”

去り際に胸を隠しながらウインクをしていった山の神が脳裏に浮かぶ・・・・・・。


「・・・・・・・皆・・・・・・」
麗姫はため息をついた。



「三日反省しなさい・・・・!!!!」


スパーン・・・・・・・・・・・



”姉”にひっぱたかれてその騒動は終わるのであった。


■END■