話題:毒抜き
■「え!?鬼似鷹さんもう行っちゃったの!??」
夜。城でつんだ花を一厘手に持った蘭姫が里利に話かける。

「あぁ・・・今日は随分急いで行ったみたいだね。」
人魚を匿っていたのは暫く前からの事なのか何事も無かったかのように平然と語る兄。里利。


「二人っきりになりてーんじゃねぇの・・・・?だって・・・あの”二人”・・・」

”結構いい感じじゃん・・・・!!”

***
犬鬼たちがそう言っていた頃水面ではパシャパシャと音がなりそれにあわせるかのようにハァハァと熱い吐息の声が漏れ出していた。

「ササメ・・・・!!」
ササメを抱きとめるように胸に仕舞いこみながら顔を赤らめてその名を呼ぶ。
それにあわせるようにササメが口を開いて彼の肌に触れる。
ハァハァと漏れる息の中鬼似鷹はそのまま意識を失った・・・・・。


「ふーん・・・・・」
城ではそんなこととはつゆ知らず少々ふてくされた顔の蘭姫が
「まぁいいや。後で花束持っていこう・・・・・」とつまらなそうに明日を待つことにしていた。


***
翌日。

「わ・・・!!!!人魚になった・・・!!!」

水中ではポンという音とともに蘭姫の足が魚の尾のソレへと変わり嬉しそうに驚いていた。

”花束の冠のお礼”
そう言って頭に花輪を乗せて微笑むササメ。”ね。一緒に水の中を探検してみない?”

「え!???」

一糸纏わぬ姿に尾ひれをつけたソレはちょっと恥ずかしそうに驚いたが「う・・うん。」と返しササメについていくことにした。


”ポゥ・・・・・・・”

「わぁ・・・!!」

キラキラと輝く水中は日の光や独自に光る発光体などの光でまるで別世界のようであった。

(キラキラしてる・・・きれー・・・・)

蘭姫がソレに見惚れるように眺めていると”ね、あっちの奥にも綺麗な岩場があるの!

一緒に行って見ない?”とコチラも生き生きとしたようにキラキラとしたササメが奥を指差す。

「え・・・でも息が・・・・?」
初めての水中体験に不安が隠せない蘭姫。


”今まで大丈夫だったんだから大丈夫よ?”と微笑むササメ。
「でも・・・・」
脳裏には

『お昼までには帰ってくるんですよ?』と指を立てて微笑む姉。麗姫の顔。

(姉さん・・・・・!!!!!)

蘭姫がそう迷っていると笹目は一瞬気分を害したような顔をしたが直後”蘭姫は私とお昼とどっちが大事・・・!???”と手を握って叫んできた

「え!??」
そ・・・ソレは・・・・・・・・
蘭姫がそう言って笹目から離れた瞬間。

クンっ!!

何かが彼女の髪飾りに引っかかった。


そして


ザバー・・・・・・!!!!!!!!!と水面から顔を出す蘭姫。


「お・・・・?」


”何やってんだ?お前。”
なんと人魚姿の蘭姫を戒が釣り上げたのだ!!!

何してんだ。お前」呆れ顔でコチラを見つめる戒に
「何って戒!!!お前・・・!!!」

蘭姫が反抗する。・・・・・・・・・とふと気づくと自分の服が元に戻っていた。

”アレ・・・・?”

服が元に戻ってる・・・・・・?



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