今夜も、神楽は泣いた。神楽が泣くのは銀時の前でだけ、布団の中でだけだ(とは限らない事もある…)。
それは自分にのみ与えられた特権。だから泣き顔を見たくなって、つい神楽の嫌がる行為を銀時はしてしまう。
そして後でさんざん厭味を言われるのだ。その時の神楽の、照れたような拗ねたような表情を見るのも、実は密かな楽しみのひとつになっているのだが。
隣で背中を丸めて眠る神楽を見つめながら、銀時はゆっくり目を閉じた。
「ご馳走様でした」
fin
料亭であいびきみたいな話を書くために、パラレルの”弁護士×神楽ちゃん”を書いてみました…。
※アタラクシア……他のものにわずらわされない平穏な状態。