零優零。
神様ヘルプ。
**101005



何だかわかっちゃったみたい。

最近 零がかわいいです!
神様!




神様ヘルプ!









リビングの扉を開くと甘い果実の香りが漂っていた。

テーブルには零が陣取っていて。
テレビを見ながら器用に桃にナイフを入れていた。


『わぁ。おいしそーな匂い!』

『やらねぇぞ。自分で剥けよ?』


前に腰を下ろした優姫にチロリと目配せすると、零は間髪入れずに断りの言葉を発した。
直ぐに目線をテレビに戻す。


『まだ何も言ってないのに。零のケチー』


優姫はぶーと口を尖らせ、テーブルにある桃を一つ手に取った。


『良いもんね。自分で剥くもんね』


そのままぴろりと皮を剥き出した優姫に、零は一瞬眉を潜めさせた。
ちびちびと皮が剥がされていくその桃を持つ手には力が入り、
いつしかべっとりと桃の汁が絡まった。
冷蔵庫で冷やしていた桃の温度はみるみる優姫の手の温度と同調される。


『あ、あれ?綺麗に剥けないなぁ』

『・・・・』


零は桃と格闘している優姫を見ながら顔をしかめさせた。

ナイフを渡そうか。

などと考えを掠めさせたが、優姫にナイフを渡したところで凶器になるだけだ
と考えを消去させた。


よって。
零が綺麗な等分で桃を切り終わり、皿に盛り付けた時には。
向かいの優姫の手にある桃の状態は、所々皮の残骸が残り、実は無惨にもえぐれた様ないびつな塊として変化していた。
一応皿には乗せられているが、同じ桃とは到底思えない。


零はそのかわいそうな桃に一瞥送ると
見なかった事としてテレビへ目線を戻した。
フォークで桃を口へ運ぶ。
冷たい桃の果汁が舌に広がった。


『零が切った桃・・綺麗だなぁ』

『・・・・・・・』


チロと優姫の顔を見るとじーっと視線を送り続けている優姫の瞳に捕まった。
何故か優姫の桃が乗る皿が零の方に近付いている気がする。
零は嫌そうに大きな溜息を吐いた。


『・・・お前なに考え・・』

『ねぇ零。桃交換して?』

『・・やだ』


首を傾げて精一杯可愛くねだってみせる優姫を零は一蹴する。


『愛を込めて剥いたんだよー?!
ちょっと・・不器用でいびつになっただけで、味は変わらないんだから!
私が剥いた桃、零に食べて欲しいもん!』


そう言いながら優姫の手に押され、更に桃が零に近付いた。
どう見てもその姿は美味しそうには映らない。


『味変わらないならそれ食べれば良いだろ。
俺に食べて欲しいなら剥くスキルを上げてからにしてくれ。』

『だって零が剥いたやつが食べたいんだもん!
それが食べたい!』

『・・・お前なぁ・・・』

『お願い!』

『・・・・・・』


暫く眉間の皺を固まらせていた零は
観念したように溜息を吐いた。


『はぁ。
・・・ほら』

『わーい』


自分の剥いた桃を優姫に渡し、代わりに変色した痛々しい桃が零の前に移動する。

手にする前に再度大きな溜息を零し優姫に視線を投げた。
桃には手を付けずに、ニコニコと笑顔を向けて、自分が剥いた桃を食べるのを待っている。
零に食べて欲しいと云う事はどうやら本当だった様だ。


(剥き直したら怒るだろうな)


目線を桃に落とし、意を決して手にすると一気に口に含む。
咥内に甘い果汁が拡がった。
見てくれは悪いが味は甘味が増した様な気さえする。


『丸ごと被りつくと美味しいでしょー?』

『・・・桃は目を瞑っていたとしても裏切らないんだ』

『なにそれぇ。次は絶対目でも楽しませてやるんだから!』


優姫は零の切った桃にフォークを刺すと口へ運んだ。
ふにゃ〜と瞳を細めると頬に手を当てる。


『溶ろけるくらい美味しい〜』


優姫は次の桃にフォークを刺す。


『すっごい美味しいね!零!』

『・・ぁあ。そうだな』


優姫は食べながら零に視線を合わせる。
優姫のいびつな桃を、なんだかんだで綺麗に口にする零の顔は眉間に皴を寄せているものの、
優姫の瞳には微かに頬笑みが浮かんでいる様に映り、何だか柔らかな表情でとても幸せそうに見えた。


(あれ?)


その様に優姫はゆっくり小首を傾げさせた。


(零ってばもしかして・・・)


暫く零に合わせていた視線を
優姫は零が剥いた綺麗な桃へと静かに落とした。
















理事長におつかいを頼まれた優姫は、零と二人で休日の街を歩いていた。
零の両手は大量の袋で塞がり、その眉間には色濃く不機嫌さが滲み出ている。


理事長に頼まれた買物は早々に済ませていたが、折角だからと優姫に付き合わされ
雑貨屋やアクセサリー、洋服、靴・・と買わないのに散々歩き回されていたからだった。


『お前、いい加減にしろよ』


重い重い溜息と共に、零からそんな言葉が出たのは、甘い甘い香りが流れてくるクレープ屋の前で優姫が立ち止まった時だった。


『ごめんごめん零!
疲れたよね?
お詫びにジュース奢るから!』

『そんなもんでごまかせると思うな』


ピキリと眉を強張らせた零からは
「お前と一緒にするな」とため息と共に零されたが、
優姫は気にせずにメニューに目を通す。
振り返り明るい声で零に続けた。


『ピーチとマンゴーがあるよ?
どっちが良い?零?』


零は振られてピクリと反応を起こす。
ジュースの種類は沢山あったが、優姫は敢えて2種類しか伝えなかった。


『・・・・桃。』

『はーい』


クスクスと笑みを浮かべながら注文をし、
程なくしてバナナチョコクレープとピーチジュースが出来上がった。
それを手にして優姫は零の元へ向かう。

ぶちぶち言っていた零だったが、何だかんだで店先のベンチに腰を掛けて待っている。
優姫はジュースを手渡すと、零は大人しくそれを口に運んだ。


先程まで顕著に表れていた眉間のシワは若干薄れた様で、
優姫は隣の零の様子をにまにましながら眺め、クレープを頬張った。
不機嫌オーラを纏った零はどこへ行ったのやら。


(何だかかわいいなー)


優姫は笑みを押し殺しながら零を見遣った。


『ねぇ、零ってすっごい桃好きでしょ?』

『・・は?』


問われた零の瞳は空を泳ぎ思考を巡らせている。


『この前もね、すっごい幸せそうに食べてたよ?』

『そう・・・か?』

『うん!表情にはあまり出てないけどね、
とっても好きオーラ感じたよ?
私にはわかるもん。』


ニコニコと楽しそうに零す笑顔を見ながら
零は「ぁあ」とぼんやり相槌を打つように
手元のジュースに目を落とした。


『そう・・かも な・・』

『でしょ?だからね!一杯ある中からピーチジュースをね・・』


優姫は嬉しそうに零の腕を掴みながら、覗き込む様に顔を近付けた。
それに釣られる様にぼんやり考えていた零の顔が優姫に向けられる。


『好き・・かもな』

『・・・ッひょ!』


二人の視線が交わるタイミングで零の放つ言葉が優姫に向けられた。
零の瞳とかちあい、優姫は思わず変な声を上げる。
その反応に対し、零は眉間の皴を増やした。


『何だ?その声?』

『はわわ』


あまり普段耳にしない零からの好的な言葉を正面から受け、優姫はぱちぱちと忙しなく瞬きを繰り返した。
まるで自分に言われたかの様に、徐々に頬が染まっていく。
優姫は思わず顔を逸らした。


『おい?優姫?』

『わぁ!何でもない!』

『変なやつだな?』



零は首をがしがし掻きながら再びストローを口に含んだ。
頭には?が浮かんでいる。
優姫はそんな零との間に少しだけ隙間を空けて座り直すと、はぁー。と小さく深呼吸をした。


(かわいいけど・・・)


(心臓に悪いです!・・・神様!)


どくどくと脈打つ胸に手を当てながら、零の隣で縮こまる優姫だった。



















20101005−−−−−−−−》》
素直に云おう!!

締めが思い付かなかったと!!
( ´¬`)ノ げぼほー



ピーチって聞いてるのに桃って言い直すのきゃわいいよね
桃ジュース与えられる時大人しくなるのきゃわいいよね

てだけでピカーンきたネタだったんだ・・・
(・・・かなり前に)


これだけの為に作る乙を許して・・

桃与えられておとなしくなった零を書いたら満足してしまってその先全く浮かばなかった乙を許して・・・
(;Д;)ノシ


そんなしょーもない部分ネタばかりが浮かぶので
オチもないどうしようもない話になるんだよね・・・

すんません
(´;ω;`)


とりあへずラララ零CDで綺麗に剥けた桃〜のエピソードがあったので
桃をチョイス。
きっと零たんは桃が好き。


今回ばかりはマジで崩壊しているよね・・
ごめんなさい!








  


[EXIT]


-エムブロ-