top bkm


2010.5.26 22:59 Wed
_____52.



わたしのすべてをひていするのは
あなただけでいい



それいがいはあなたじゃない
わたしじゃない

いらないものはきれいにすててしまって

わたしがいきていくために
あなたを 。


それがただしい
まちがわないむじゅん

わたしだけのうそ


かなわないやくそく
ほうかいしたびがく

よごすじゅんけつ



いたくなんかない
そんなのになんのかんかくがあると いうの



あなたをあいせないわたしなど
ここにいたくない
それはわたしじゃない



だからこわさなきゃこわさなきゃこわさなきゃこわさなきゃこわさなきゃ

わたしがきちんとわたしでいれますように






きちんとじぶんのてで



ごめんなさい
ありがとう





(うそつきなあたし)








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2010.5.26 22:58 Wed
_____51.



早く貴方が死なないかな、なんて
夢にも思ってないことを囁く


そうそれは風に揺れる華と同じくらい
何でもないことで





きっと彼はわたしの事など愛していなかったのだ


(わたしは彼を愛していたけれど)



それでも、彼がわたしの名前を呼ぶのが好きだったから
まあ、それで良いかな、なんて










時計が音を立てて崩れ落ちた
誰も目もくれない、まるで其処に無い、みたいに
私は急いでそれを拾い治して周りを見た


誰も、何も、知らないようだ
私のセカイは、どうも周りの人に興味が無いらしく
そんな事があったことさえ知る人は私しか居ないだろう



此処に貴方が居ても
きっと気付いてくれなかったと想う
どんなに、叫んで愛を乞うても





喧騒に塗れたわたしは




貴方を探すことすら出来ないと云うのに




(揺れる花のやうに  )



category: @散文 comment:0
2010.5.26 22:57 Wed
_____50.




あの子が光なら
わたしは影だろう


あの子が白ならば
わたしはせいぜい汚れた白、黒に近いだろうか


あの子がお姫さまなら
きっとわたしは町人Bだろう(Aですらないのだ)

あの子がまばゆい演技をすると云うなら
きっとわたしは鈍い、鈍色の演技をするだろう










*み に く い あ ひ る の こ*










わたしの彼女の名前、は
宵町小夜子という
もちろん偽名であるが、音楽活動でぎりぎりの生計を保っているわたしたちのバンドの中ではそれが[自分]であり、それが[全て]である
プライベイトでも、仕事中でも
わたしたちにとって、彼女は[宵町小夜子]であった

先ほどわたしの彼女、と表記したのも間違えではない
彼女はれっきとした自分の恋人である

お互いを自分の彼女、とカテゴライズするのだ



自分たちのバンドは4人組であり
彼女とわたし以外の男二人も付き合っているらしい
(興味は、ないが)
ドラムスを務めている彩夜 烈(あざや れつ)とわたしは昔付き合っていて今のこの忌まわしい名前は彼が付けてくれたものだ
当時のわたしはこの名前が好きだったが、いま別れてみるとなんともひどい名前である
……いや、響きとしてはとても可愛らしいのだが

明らかに偽名だとわかるバンドの創立者は一応わたしであり
作詞、作曲、アレンジ等も実は全てわたしに任されているこの滅茶苦茶なバンドの名前をb!z という
ようはブリリアントなビス、鮮やかな世界に開く穴、みたいな意味らしい

そんな綺麗な感性の持ち主の烈に付けられたわたしの名前が

ちる、


咲夜 散子(さきや ちるこ)という



咲く夜と、散る子
一晩にしてわたしは散ってしまうのだろう、きっと


そういえば、ベースを務める烈の彼氏は

時雨 夜 (しぐれ よる)という

わたしたちb!zのメンバーが全員[夜]の字が入っているのは
どんな暗喩なのだろう?



所詮、わたしはしがないキーボードですが
なに、か








「ちるっ、ちるー!歌詞出来たよ」



最近、ヴォーカルである小夜子は詞を書く
昔はあまりにも欠片過ぎて使えなかったが
最近の小夜子の詞は綺麗で、でも汚くて
とても好きだ


小夜子の唄は、とても凄いと思う
何度も泣いたことはあるし、鳥肌がたって叫びだしたくなる


わたしの全てを底から揺さ振るような唄い方を、する



(……そんなわたしは、実は最初ヴォーカル志望だったりした)
(小夜子は夜の幼なじみなのだ)






「うほー。じゃあ見せてくれるかな?姫さま」
「まだ云ってるの?あたしは姫なんかじゃないよ」
「はいはい、さよ、早く?」



全曲、「BUBBLE」はインディーズながら中々の好調で
世間に認知される曲となった


しかも、カップリングの方、が
それは小夜子が滅茶苦茶に、自分の歌を唄ったものだ
一応バックとして1番と同じ曲で取られているが
殆んど何も聞こえない

ようするに、ほぼ小夜子のアカペラみたいなものなのだ



人魚姫をモチーフにした、BUBBLE
雑誌でも何でも、世間は小夜子を陸の人魚姫だと、云ったのだ



「あたしは、あんなの厭だ。ちるの為に唄ったのに、あんなのじゃ意味がないの。あたしはね、別に何も考えてないの。人魚ではあったよ、でも王子様はちるなんだ。絶対に幸せに、結ばれない話。それが人魚姫なんだよ?」



小夜子は小夜子なりに
可愛く純粋にわたしを愛してくれる

わたしも、わたしなりに
小夜子を愛している


歪んだ、それでも絶対的な真実

でも



作詞をしないわたしは一体なんなのだろう?

人魚のように儚く
純粋に人を愛して朽ちるような美しい小夜子と比べて


わたしは誰よりも劣っていて、独占欲や猜疑心にとらわれている
小夜子に愛されることによって優越感に浸るような汚い女だ




「有り難う、小夜子。わたしも貴女を愛してるわ」


(なんて、嘘か本当かも解らない言葉を、吐いて)


「好き、よ」


(わたしは誰かに愛されている)









「散子は嫌な女になりたいの?」

「……そんな訳ないじゃない」

「じゃあ散子は綺麗だ」

「馬鹿ねぇ……夜は」



夜はわたしをただ一人、散子と呼ぶ
殆んどがちる、と呼ぶので
わたしは夜に散子と呼ばれるのが堪らなく好きだ



「馬鹿とはなんだ。綺麗になりたいと思う人は誰もが綺麗な原石だよ」



相変わらず……



「夜は綺麗だね」

「ん?」

「小夜子と烈が好きな理由がわかるよ」

「散子は俺の事嫌いだったのか」

「そういう訳じゃないけど……夜は、誰かの全部を知っても嫌わないで居てくれそう」

「ははは、俺はメンバーの中じゃダントツで優しいからな」

「……そうね」


こんな時、夜の名前の意味ががわかる気がする

暗く、広く、静かに全てを隠してくれる夜
優しく、でも受け入れてくれる夜

だから、夜。
彼には夜という名前がとてもよく似合う


きっとわたしは夜が好きだと思う
烈と別れ、小夜子と付き合い初めて
きっとそれは淋しかったからで
愛されたかったからで




……夜に






叶わない淋しさを小夜子で紛らわしたんだ





みにくいわたしは
美しい白鳥に隠れて生きてたのだ




「……夜」

「なんだ」


言葉が、重なる
一つになる
止まらない
きっと、嘘が混じる



「愛してる」




ああ、嘘でも、良い





「挿れても良いか」


「はは……夜は変態なんだから」


「散子」








嘘でも良い
仮初めにでも愛されたい



大事な貴方に



(わたしだって美しく生きたいのだから)


少しでも、白い光に




「挿れて、早く」








  (ひかるわたしのあなたいろ。)







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2010.5.26 22:56 Wed
_____49.






あたしはただ、好きだという気持ちを隠しただけだった
意味もなく吐き出される言葉は怖くて
ただ、理由もなく嫌った
忌み嫌ったあたしには何も残らなくて

ただ、世界が嫌いだと嘆いた
死にたい、と願った




あたしは嘘吐きだから、だ



空を浮く人を初めて見た
歩いてるわけでも飛んでいる訳でもなく
彼女は空を浮いていたのだ


私からの視線に気付き、彼女は微笑んだ
そして唇を微かに動かした


人間には見えなかった



「貴女も飛ぶ?」



それでも彼女は浮かんでいた




「ふぅん、貴女はエスなのね」



とても綺麗な人だった
少なくともあたしよりは年上だろう
綺麗な肌、髪、顔
何処か一つでも、私よりも劣っているところはと探したが見当たらない
僻みようがない



「エス?」
「同性愛者の事よ。決して自分の性質の事ではないわ」
「おかしいのかしら……」
「ふふ……あたしには良く解らないわ。それが正しいのか間違っているのか。そうね……、でも。とても綺麗」



詩を謳うようだった
彼女のは言葉ではなく、詩なのだ
口は何かの楽器のようで、そこから出てくる音は全て詩なのだ




わたしの好きな子ーーーMとしよう(仮にもわたしはエスという人種らしいので)ーーーは、わたしの一番に仲の良い友で、大事な子であった
クラスが違えども、何も変わらない友
自分以上にMをする者は居ないと思っていたし
実際にそうだと思っていた




突然Mに彼氏が出来た
いや、突然ではなかったのかもしれない
Mの交友関係は知っていたし、秘密はないと思っていた。その中現れた彼氏ーーーAとしよう
Aは軽がるとわたしからMを奪っていたのだ
そんなわたしは独りぼっち
わたしにも少ない友は居たが、本当に好きなのはMだけ


この気持ちは何なのだろう


淋しい
苦しい
痛い
ああ、逢いたい



そこで気付いたのだ


わたしがMを好きだと云うことに



距離はとおくなり、離れる
あんなにも近くに居たMは、時間が経つにつれ離れていった
私ではない、代わりに傍にいる彼氏とは近くなっていった
今までわたしが居た場所が空いたのだ
彼氏は簡単だったのだろう

わたしはもう居場所を無くした
わたしが帰れる場所はだんだんと小さくなったの、だ


そんなある日、わたしはMと会話をしていた
そこに来る電話


ああ
それはAからだったのだ


しかしMは出ない
電話に出ないのだ

不思議に思い、何故電話に出ないのか問うた
すると



「貴女と話す以上に大事な事が有る?」

「……!」
「最後まで気付かなかったの、ね」
「……まさか」
「ふふ、あたしは貴女が好き」



眩暈が、した
本当は両思いだったなんて
凄く凄く嬉しかった

Mの隣に居るのはわたしで
Mが望むのもわたしで


こんなことが有っていいのだろうか


でも、でも
わたしの口から出たのは正反対だった



ただ、一言


わたしはMを突き放した




「気持ち悪いわ」、と




嘘を吐いた
わたしの人生で一番大きな、吐いてはいけない嘘を



わたしは忘れない
彼女のあの顔を




隠しただけだった、わたしの心



もうMはわたしの目の前に現れないと、悟った






死のうとしたら、浮かぶ貴女




「……さあ、飛ぼうか?」













未完****



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2010.5.26 22:55 Wed
_____48.


蹴りだした赤い靴
青い眼をした貴女

あたしだけ居ればいいでしょう?



(赤い靴を履いて)



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