三題話バトン


下記の言葉から、3つの言葉を選んで版権、創作の小説を作って下さい。
(物語ではなく詩、歌でも構いません)

【 言 葉 】
ジャズ、夜空、居間、ショッピング、シャンプー、ホームルーム、ハンカチ、自転車、バイト、ラップ、テスト、引き出し、ぬいぐるみ、うちわ、数学

−−−−−

では、『夜空』『ぬいぐるみ』『うちわ』でいきます。



 ―――――――

「うわぁ…キレーやなぁ」

夜空に瞬く間に咲いた花火を、水葉(みずは)はうっとりと見上げている。

「やっぱいつ見てもええもんやなぁ、花火は」

うちわを片手に水葉が散りゆく花火を見届けていると

「水葉ちゃーん、お待たせー」

浴衣を着た男子が此方に駆け寄ってきた。

「もー、遅いで花月ー」

「ごめんごめん、これでよかった?」

「うん、これやこれや」

花月(かづき)が持ってきたぬいぐるみを、水葉が受け取る。

「おおきにな。花月が射的得意でホンマ助かったわ〜」

「いやぁ、それほどでも…」

水葉の言葉に、花月は照れたように頭を掻く。

 観客が徐々に帰っていく姿が見える。

「あ〜あ、終わりかぁ…」

少し残念そうに花月が言う。

「なぁ…」

少し不安そうな水葉の声。

「花月…今日、ウチの家泊まらへんか?」

「えっ!?」

思いがけない言葉に、花月は戸惑った。

「ウチな…親が今出張中でな…寂しいねん」

本当に寂しそうに、水葉が言う。

「だから…一緒にいてほしいんや」

水葉に切ない表情でみつめられて、花月の心臓は跳ね上がった。

 最早彼に、選択肢などなかった。

「……いいよ」

「ホンマ!?」

「う、うん…君がいいんなら」

そっぽを向きながら花月が言う。まだ胸がドキドキしていて、顔が熱い。

「よっしゃー!今夜の抱き枕確保やー!」

「はは、良かったn………え?」

今…なんて言った?

「み、水葉ちゃん? 今なんて…」

「ん?ああ」

水葉が納得したように頷くと、花月に近づき、そのまま抱きついた。

「ふわ!? ちょ…」

「ウチな、いつも抱き枕使って寝てんやけどな、この前壊してしもうて捨ててしもうたんや」

花月の頭を撫でながら水葉が言う。

「ホンマ助かったわ〜。花月のお陰で抱き枕の心配もなくなったわ」

「ちょっ、水葉ちゃん!?」

自分が抱き枕にされたのを想像して顔を赤くしつつも、花月が反論しようとすると

「…ダメなん?」

水葉が再び切ない表情になる。

「うっ……もー!その顔禁止ぃー!!」

手をばたばたして叫ぶ花月に、水葉は爆笑した。













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