ブログで書く!書く!と言ってたマーティンさんとにょシドの出会い話です。
後日、マーティンさんによるマーティンさんのためのセクハラを追加する予定です。(こいつ)
そんなわけで今回は戦闘オンリーだよ!
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女体化准将でリグシドを書きなぐるブログです。 准将受けしかないぉ☆ ただいまニーアレプリカントをプレイ中。 周回クリア済み。DLC待ち状態でまったりプレイ中。
ブログで書く!書く!と言ってたマーティンさんとにょシドの出会い話です。
* * *
ぱたん、と妙に軽い音が地面に響いた瞬間、私は仰向けに倒れていた。
驚くと同時に頭上から、今日上司となったばかりの男の声が降ってきた。
「その程度で終わりか?」
嘲笑を含んだその声にすぐさま起き上がろうとしたが、右肩を硬い軍靴で押さえつけられる。
残っていた左手で男のズボンの裾を掴むが、わずかな皺を作るだけで攻撃することさえままならない。
その現実に自分が彼よりも格下であることを今更ながら突きつけられた。
聖府軍の士官学校に入学して以来、接近戦では男に負けたことは一度もない。講師として学校を訪れた現役軍人からもたびたび褒め言葉を頂戴したし、彼らを追い詰めることさえあった。
なのに今目の前に立つ男にはそれが一切通じない。
このアレックス・マーティン中尉という男には。
手が使えないなら、足がある。
先ほど太ももに鋭い蹴りを入れられて左足はじんじんと痛んでいたが、骨が折れたわけではない。
まだ行ける。
そう思って、膝を曲げて彼の足首に攻撃を加えようとしたが、すぐに気づかれた。
くそ!
黒い軍靴が右肩からさっと離れ、膝蹴りが空をかく。
それと同時にすぐさま起き上がると、ひどい眩暈がした。
「すぐに起き上がらん方がいいぞ。軽い脳震とうを起こしているかもしれんからな」
起きたあとに言う台詞か。
心のなかで悪態をつきながら、呼吸を整える。
八年。私とこの男の間にある年齢差はたったの八年だ。それが今、途方もなく長い年月に感じる。
しかしこんな所で参ったというわけにはいかなかった。
父の夢。数十年にわたりコクーンの議会で紛糾している下界との交流再開を、父は政治家という立場で成立させようと試みている。
しかしそれを阻む者がいる。下界をコクーンの敵とみなす諜報部隊サイコムだ。
今まで度々起きた議会の衝突を彼らは武力で制圧してきた。父の夢を叶えるためには、彼らと同等の力でけん制する必要がある。だから私は父を説得させて士官学校に入学した。
誰よりも先にトップを目指し首席の座を射止めた。そして今日ようやく警備軍の現場に配属された。
こんな直属の上司との模擬戦ふぜいで立ち止まっている余裕など、どこにもない。そんな暇はない。
ちかちかと眩む視界のなか、彼との距離をはかる。
先ほど二歩踏み込んだところで蹴りの応酬となり、重い蹴りを左足に浴びせられていとも簡単に体を吹き飛ばされた。
体重では勝てない。相手の身長は私よりも15センチは高いため、間合いにも差がある。
となれば残された武器は一つ、速さだけだ。
相手に動くタイミングを覚られないよう、口ではなく鼻の呼吸に徐々に切り替える。
だが、にやりと笑って手招きする男の姿に隙はない。
忌々しい表情が初対面に彼が浮かべた侮蔑の顔とつながる。
士官学校の首席が今年は女? 俺が臨時教官で行った時よりもレベルが下がったのか。
思わず上司であることも忘れてにらみ付けた。
レベルが下がったかどうか、中尉ご自身の目で確かめてみては?
そう告げると彼の全身から獰猛な殺気が湧き出た。まるで軍用獣のベヒーモスにでも対峙したような殺意が部屋に満ちた。砂色の目が嘲るようにこちらを見たのをよく覚えている。
学校を出たばかりのひよっこが何をぬかす。
乾ききった瞳は雄弁に彼の感情を語っていた。
それに負けじと睨み返したことで、この模擬戦が始まった。開始してすでに30分。まだ一発も彼に攻撃をあてていない。
このままでは彼の言葉を私が証明してしまう羽目になる。それだけは我慢ならなかった。
せめて一撃。
半歩足を進めれば、彼がふてぶてしい笑みを浮かべる。間合いをつめてもその表情にはあせりは見えない。
いやな男だ。
冷ややかな一瞥を送った瞬間、背後から怒声が響いた。
「マーティン中尉! 模擬戦は一週間後だぞ。何をしている!」
誰の声かはどうでも良かった。ただ砂色の瞳がわずかに私の背後に逸れる。それだけで十分だった。
間髪いれずにその懐へと入り、黒い戦闘服に覆われた腹部を打つ。
ぐっと彼のうめき声が聞こえたが、これで容赦するつもりはなかった。
もう一撃! と勢いこむと苛立った声が15センチほど頭上から響く。
「このっ!」
瞬時に拳が繰り出されたが、先に懐に入ったおかげで彼の息遣いがはっきりと聞こえた。
打ち出されるタイミングを真っ先に体が反応してかわす。
彼が息を呑む音が聞こえた。明らかにこちらの動きに怯んだ息だ。
見上げると砂色の瞳が大きく見開かれていた。
行ける。
その顎を右の拳で打とうとした瞬間、彼の唇があのふてぶてしい笑みを刻むのが見えた。
背中にぞくりと悪寒が走り、肌があわ立つ。
罠だ。
すぐさま左腕で頭をかばい、一歩下がる。だがしかし。
「遅い」
そのつぶやきが耳に入った直後、左腕を通して脳みそごと頭を揺さぶられるような衝撃が走った。
先ほど食らった蹴りとは重さがまったく違う。
あまりの衝撃に左足が重力に逆らってふわりと浮き、練習場の石床に吹き飛ばされる。
受け身を取る余裕はなかった。頬が荒い石床にこすられ、蹴られた左腕がじんじんと痛みを訴える。
視界がどんよりとした灰色の波一色に染まった。
息継ぎをしようとした瞬間、わき腹にとどめの一撃が入った。
「……ぐはっ」
呼吸が止まる。あまりの痛みに涙がこぼれたのか目尻が濡れる。
火傷でもしたかのように左半身がじくじくと痛み、頭がぐわんと揺れて思考がままならない。
遠くから誰かが「中尉!」と怒鳴る声が響く。
意識が朦朧としていくなか、頭上からやわらかい声が降ってきた。
「まったく。なんてじゃじゃ馬だ」
苦笑いする息を耳がとらえたところで、私の意識は途絶えた。
性 別 | 女性 |
誕生日 | 3月19日 |
地 域 | 東京都 |
職 業 | 職人 |
血液型 | AB型 |