それはとある質問からだった。
山本が南波はどこ行ったんだ?という一言で俺は今、まさに気まずい現場にいるのだろう

目的地は応接室。
南波が行きそうなのはそこくらいだからだ、そして南波についてくる(応接室にいらっしゃる)のはあの最凶こと雲雀恭弥なのを山本が忘れていた(絶対覚えてた)のが敗因たと思われる


「なんで居るの」
「いや、俺に聞かないで恭弥、いたたまれないから」

そう出くわすタイミングが悪かった。本当に悪かった、人生がタイミングで出来ているという事がこれで実証された

南波と委員長はキスをしていた。南波が押され気味で、そして付け加えれば深いのだった…いや凄まじい感じに激しかった。


「いや、俺はノックしろって言ったからな!山本に言ったから」
「悪ぃ悪ぃ、南波に会いたかったからさ」

この野郎、笑顔でとんでもねぇ事言いだした!空気を読め馬鹿野郎!委員長キレるだろうが!ほら見てみろ鈍いバカは一向に気づいてない、委員長一瞬眉間にシワ寄っただろうが!

そもそもおかしいんだよ
席が!なんでお前と南波が隣同士で俺と委員長が同じなんだよ考えろバカ!それともわざとかわざとなのか!


「いやぁ真剣にノックして欲しかった」
「礼儀を知らないのかい?」
「悪かったってな?そう怒んなよ」
「(いや怒るだろう…普通)」

「で山本どうしたのさ?」
「いーや暇だったからさ、南波の顔見たくなって」
「お前は暇だったら顔見にくんのか変わってんなぁ」

「(…鈍感野郎…!てか山本お前絶対、委員長怒らしに来たよな!お前絶対怒らしに来たよな!これで天然つーんならお前の名前はデストロイ武に変更だからな)」

山中はイライラしながら山本を睨んだが山本は一瞬見て視線を南波に移した。その事で全てを悟った


「(コイツ…腹黒じゃねぇか!)」
「用が無いなら出て行ってくれる」
「いやせっかく来たのにそんな事言うなって」
「(バッカ野郎)」
「まぁまぁ、な?南波もこう言ってんだしヒバリも怒んなって」

「(ムッ)」
「(あ、恭弥かわいい)」
口元をおさえる南波は雲雀を見る、雲雀はその視線に気づき南波を見た


「(なに?)」
「(かわいいなぁって、あは)」
「(…バカじゃないの)」

「「……………………」」
目で会話する南波に山中と山本は絶句した、理由はあまりにも南波がデレているからもあるが雲雀が少し嬉しそうだからだ

「(バカップルめ!)」
「つーか仲直りしたのな?」
「「??」」
「だって南波が先輩とうぐっ「すいません委員長、ちょっと山本気分悪いみたいなんで…」」

「おいおい、話してやれよ山本苦しそうじゃん」
「黙れお前には聞こえねーのか!ベートーベンも唸るくらいの不協和音が!」

「はぁ?意味わかんねーよバカが」
「黙れ!」
「お前が黙れカスッ」
「アハハハ、南波モテモテだからな」
「山本武、詳しく言いなよ」
「南波また告られたんだよな〜今週で8回」

「「…………………………」」
「へぇ、僕は聞いてないよ」


「山中…不協和音じゃなくて俺的に火山爆発の前の音がするんだけど…いや、聞いた事ねーけどさ」
「奇遇だな南波、俺もする。いや聞いた事ねーけど」
ズゴゴゴゴゴと異様な音を立てて見る雲雀に南波は回れ右をして立ち去ろうとすれば雲雀は肩を掴んだ

「逃がさないよ」
「……………はい…」
勢いよく逃げる山中一行をこれほど恨んだ事はない、つーか何しに来たんだお前ら!これほどまでに空気読めるからあえてずらしてるんですか今ちまたで流行りのAKYと言うヤツですか?あえて空気読むみたいな?




「………………すいませんでした」
山中は目の回りを青くする俺を見て土下座していた

「死ね山中ぁあ゛ああ゛!!」
「ひぎゃぁぁああああああ!!!!」
悲痛な叫びは並盛一体に広がった




あえて空気は読まない
(法令だそーぜ!もうこれ犯したら死刑でいーんじゃね!?)