文ストの46話めちゃくちゃ好き。
今期面白くない太宰さん出てこねえって思ってたけどとんでもない。
めちゃくちゃ考えさせられる。
人間は生き物だから死ななきゃいけないのに、理不尽な死がある一方で物理的には死んでるのに死ねない状況もある。
愛する人に死んで欲しくないという感情的な話ではなくて、避けられない死を異能力で遠ざけることは結果的にさらなる苦痛を生むものなんだ。
これは現代の医療に通ずる話だし、死なない、死ねない、それは私にとっては全く魅力的な話ではない。
そりゃあ私も病気した時生に執着したし健康が全ての源だと思ったよ。
特定の死について述べてるのではなく、不死身とか不老不死とかそれは何というか自然の摂理に反するわけで、人は老いるからこそ美しいんだっていう。
どっかの煉獄さんが言ったことなんですよ。
無くなるから尊いわけで、異能力で治した命の価値はどんどん軽くなる。
与謝野先生が言ってることは凄く正しいと思うんだ。
命という限りある脆い地盤の上で生きていかなくてはいけない。
確かなものなど何も無い世界だから、与謝野先生の異能力さえあれば解決する話ではない。
体だけ元に戻っても心が死ぬ。
体だけは元に戻るから撤退できない。戦争は終わらない。
歪みの無い完璧なシステムなんて存在し得ない。
だから自然の摂理に従って、自然に生まれて自然に死ぬ。それがあるべき姿。
確かに兵士たちにとって与謝野先生は死神よりも死神で、あの状況は地獄だ。
いやぁ、面白かった。