▼ いつかあの日とさよならを・2 (6/20 12:36)
話題:忘れられない人
「好きなやつの写真を勝手に撮るとか…
気持ち悪りぃよな」
男子からの心無い1言から深く傷つき、私の心は、1部分固く閉ざされていた。
その後すぐではあったけれど、数日後、私の学年の多くの生徒から深く信頼されていたある先生に相談したところ、翌日には、私への非難中傷はなくなっていた。
あの頃から8年経った今でも、あの先生がどんなことをしてくれたのかは分からない。
けれど、明らかな違いは、先生が何かしらの行動をした結果には間違いなかった。
解決の方向に事態が向かいはじめたものの、教室内は少し気まずい雰囲気が残っていた。
かといって、私に対して非難中傷を言ってきた人は誰1人として謝ってくるわけでもなかった。
ただ、雰囲気が良くなったのは感じられた。
それから音楽祭があり、あんなに陰湿だったクラスメイト同士が、一気に協力的になり、音楽祭の練習に取り組み始めた。
音楽祭当日には、学年内でも成績が1番良い賞までもらうほどだった。
いじめまがいから一転、学年内でもとりわけ仲の良いクラスになっていた。
不思議なものです。
それでもまだ、私の男子不信は続いていた。
音楽祭が終わり、席替えになった。
くじ引きだったから、運任せという選択肢のない決め方だった。
前後の女子は、写真の一件で悪口を言っていた子達だった。
席替えの頃にはそれもなかったけれど、私には辛かった。
そして男子と隣にならなくてはならず、私にとってはわくわくするどころか、嫌で仕方なかった。
くじを引き終わってから、みんなが移動をし始めた。
どうせ隣の男子が誰になろうかなんて関係ない。
誰になっても一緒だ。
そんな気持ちのまま、私は隣の席に決まった男子を見た。
悠という、ある男子だった。
出身小学校は違う、今まで話したことなんてなかったし、接点もなかった。
私の隣に移動してきた悠を見ると、とくに私を悪い意味で意識したような表情はなさそうに見えた。
それでも、私の心は変わらず、閉ざしたままだった。
悠が、近くの席の男女に明るく
「よろしく!」
と言っていたのが私の耳に聞こえていた。
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