まだ

なににもみたない

ただひとつの存在

それが、私



意識してはじめて

新たな視界が開ける



きっと私はいつかに

死んでいたことがあるし
生まれていたことがある
きっと

瞬間に立ち会ったことはないけれど







まばゆい太陽の光が

私の視界をむさぼりつくし


夜の闇は

濃く甘く


私の身体をかき抱く





肌で感じるものすべて

なでさすり

かきむしり

あたえられ


私の中を通り抜けてくすべて


はじめての感覚に

我を忘れ

刹那に生きる

子供のように

あるがままに







広げた手のひら全部は
私のもので

そして

私の全部は

いつかまた還ってく








そのときは


手を振るね


永遠の向こう側にある、

ひかりの洩れる

裂け目から




あなたに、見えるように。


きっと。