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甘い夢

夢を。

夢を、みた。




さらりと綺麗に

澄みきった川があって

夢の中の私は

髪が今より長かった


そこで髪をすすいでる



そしたら

ふっと

懐かしい気配があって

俯いた顔の側に垂れる

黒い帳を

誰かが

そっと 持ち上げる



覗いた隙間から

黒々とした瞳が

いたずらっ子みたいに

私をじっと見ていた


どういうわけか

私はとても恥ずかしくなってしまって

うろたえたように

視線をずらしたら


つつんでくれるみたいに

にこっと笑った






私の、知らない人

でも

なぜかすごく知っていた
この気配を

しっている

逢ったことが

きっとある








懐かしくて

もどかしくて

面映ゆくて


愛しくて。


身体中 ぜんたいで

安心してしまえた

やっと

やっと全部

預けられるんだと思った
ほっとした








起きてみたら

春の闇

甘い薫りが吹くなかで


私は

わたしを 見失って

ただ呆然と

光ってみえた幸福を

いつまでも探してた






逢いたい

切実に そう思う

夢の中のあの人が

どこのだれで

いったい

私になんの関連があるのか



なにも


なにもわからないけれど

逢ったことすら

ないけれど








でもあんまりにも

あんまりにもね。


幸福、だったんだよ。



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