話題:SS


遅めの昼食を求めてふらりと立ち寄った町の小さな洋食屋。扉の横に立て置かれた黒板調のメニューボードには白墨でこう書かれていた。

☆本日のランチ☆

【オールモストヘブンのシャッフルチョーク、テンガリー添え(シャルルペッタン付き)】

うーむ、お洒落だ。地中海の風を感じる。是非とも食べてみたい。問題は、あと3秒でランチタイムが終了してしまう事だ。果たして今からでも注文は可能だろうか?

……あのぅ、すみません。ランチタイムのメニューってまだ注文出来ますか?

当たり前だが、訊ねている間に3秒は過ぎ、ランチタイムは終了した。万事休すか。が、市村正親氏に少しだけ似た店主は柔和な笑みで店主はこう答えたのであった。

店主「あ、大丈夫ですよ。ホイッスルが鳴る前に放たれたシュートは有効、それが世界のスタンダードですから」

これはまた洒落た事をいう!料理への期待度もぐんと高まる。何たって料理はセンスなのだから。さて、問題は“本日のランチ”である。洒落た感じだという事以外はさっぱり判らない名前が並んでいる。いったい、これはどういう料理なのだろう。それを確かめるべく訊いてみる。すると……


店主「はい、オールモストヘブンというのはですね、オッペルパップルを軽くゼファーしたものにスポーティーゲイルとロゼルベを軽く合え、更に軽くセントクリストフしたものとなります」


………えっ?


店主「テンガリーの方はポーピュルとピューポルの2種類から選べます。あと、シャルルペッタンはご希望により軽くジャルペーニョする事も可能ですが、どうなさいますか?」


………えっ?


店主「うちのオッペルパップルは自家製でして、ピシャッとさせたオッペルと逆にピシャッとさせてないパップルを一度ダルーンとさせてからピキーンとさせた後、軽くジャハリハしたものとなります」


………えっ?


店主「ちなみに、オッペルはジェイクのラバンヌを軽くディータしたラモ・オッペル、パップルは軽くスザンヌさせたパップルショータからショータを取り除いて軽くフィロソフィーさせ、軽く冷ました後に軽く温め、更に軽く冷ましてから軽く温めたものを使用しております」


……えっ?


店主「もちろん、シャッフルチョークの方も自家製で、お客様のお好みに合わせてアヴドゥーラ出来ますし、ポッカリをアクエリアに変更する事も可能です。その際には軽く温めてから軽く冷やして、それを軽く練り合わせて、のちに軽くバラしておりますので“ご安心”ください。イメージとしては、セイントフォーツをオキャンピーツさせてから…」


………えっ?


店主「……では、ご注文は【本日のランチ】で宜しいですか?」


……“目玉焼きハンバーグセット”でお願いします。


店主「えっ?」


〜おしまひ〜。