14/03/21 14:00 (:みる・きく)
アルカディアの静謐



先々週、Bunkamura ザ・ミュージアムで開催されていた『シャヴァンヌ展』に行って参りました。
一昨年の『英国水彩画展』以来、2度目のBunkamuraです。

ピュヴィス・ド・シャバンヌという名前を私が知ったのは、確か象徴主義関連の書籍の中だったと思いますが、どのような画家かは知らないまま読み飛ばしてしまっていました…。
日本で紹介される機会が少なかったのは、その画業の多くが公共建築や邸宅の壁画だったからのようです。

今回はその壁画装飾の縮小版が揃った、国内初のシャヴァンヌの個展とのこと。

落ち着いた色使い、平面的な画面がイタリアのフレスコ画を思わせますが、主要な作品は全て油彩画です。
しかも神話世界を描いたものが多いため古典的かと思いきや、意味ありげなモチーフ、幻想的な雰囲気――象徴主義の先駆けと言われる所以を至るところに感じます。

こういった構図も、デザイン性が高いですし革新的ですね。

私にとっては特に、一番上に添付した『幻想』が本当に素敵でした。
女性彫刻家の邸宅のための壁画らしいのですが、イメージを形にする依頼主を、ペガサスを捕らえようとする女性に重ねたのかしら…なんて想像を膨らませてしまいます♪

また普仏戦争やパリ・コミューンなとで荒廃したパリの再建、修復に際して、パンテオンなど数々の建築物の壁画を手掛けているそうです。
彼の作品からはフランスへの愛と、平和への願いを感じました。

遺作となったパリの守護聖人ジュヌヴィエーヴの眼差しが、まるでその思いを代弁しているようです。

縮小版とは言え、ほとんどの作品が大型の油彩画なので、かなり見応えがあったと思います。
シャヴァンヌの心の中の理想郷にお邪魔させて頂いたような…そんな素敵な美術展でした

お土産には図録と絵葉書を購入しました。

今回のように今までよく知らなかった画家や、日本であまり紹介されることの少ない画家の場合、図録は入門書としても重宝します。
時間が出来たらゆっくり“おさらい”したいです。

同じ日に訪ねた『ラファエル前派展』についても、また後日ご紹介させて頂きますね。

話題:美術館・博物館


今朝は新幹線のチケットを忘れて、駅から家まで引き返すという大ハプニングが…!
おかげで指定席に乗るはずが自由席になってしまい、自分の不注意と駅で動転してしまった軽率さを反省する車中2時間となっております。(笑)
予定には間に合いそうだから助かりましたけど、最近こんなことばかりです…しばらくアルカディアに憩わせてもらえないかしら?



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しばらくご無沙汰している間にも拍手を下さった皆さま、ありがとうございました。

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