わりと前から気になってた割に読まなかった本。
3巻まであるらしいです。
で、まだ読み途中ですが、おもしろいですね…コレ!
解説を読みながら、解説であげられた部分を探すのに、
(例:一番右にいる金持ちの息子はミニオルガンをひいてるが、そばには鳥籠の鳥が激しく羽ばたいている。
楽器は遊び人をあらわす絵のシンボルで、鳥は女性を意味し、この2つのものは少年が将来放蕩にふけると暗示する。
一番左の赤ん坊は男児だが女の子の服を来てる。
これは男児の死亡率が高い当時、男児に女の子の服を着せることで死神に女の子と間違わせて連れていかせないようにするという風習があったからである。
またそばの果物は、当時高貴な人間しか買えないもので、それは赤ん坊の将来が約束されてるという意味がある。
だが、その背後には、砂時計と大鎌を持つ天使の像があり、この二つは死を忘れるなというメッセージがある。
偶然にも、この絵が完成した直後に描かれた赤ん坊は死んだ。
※うろ覚えで書いてるので間違ってたらすみません)
↑こんな調子で、いちいちモチーフを探すのに絵のページを何回も戻って見返すので、やたら時間がかかりますが。
でも、こういう何気なく散りばめられた小物に画家からのメッセージがあるという話は興味があるので、読んでて楽しい本です。
あと、一つ目巨人や、自分の子供を食う神や、ムンクの黒い影が寄り添う裸の少女みたいなパッと見で怖いのと、
一見モノクロ写真のような建物の絵『見捨てられた街』や、幸せそうにニッコリ笑ってる子供たちの『グラハム家の子供たち』に、あのドガの『踊り子』みたいな、
普通にみたんじゃ特に怖いと思わないけど、作者の性格や時代背景やシンボルの意味を知ったらゾゾッとした絵とあって、どっちも怖いです。
また作者の語り口が怖くて解説読んでてまたゾワッときます。
簡単な感想ですが、上記で書いたものの物凄く怖いというより、どちらかというと美術の勉強してるみたいで好奇心がムズムズしてくる本です。
脳に刺激が欲しくなるような怖い絵がガッツリ観たい人は、この本もいいけど、ギーガーかベクシンスキーの画集を観るのがいいかも。
読むの大変だけど楽しいなぁ。ぜひ二巻も借りたいですね。
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