話題:疲れたorしんどい

ここに来て、みんな疲れたと口に出すようになってきた

そしてついに寅吉がぐったり状態に陥った

野球シーズンじゃないってのもあるかも知れない

楽しいことが1つもないと、モチベーションを保てないしね


今週は雪が降ったのですよ、都内も

たいして積もりはしなかったが、みぞれが降る時間が長くて、バスを待つ人達がとても寒そうにしておった

そのバス待ちの列の最後尾に寅吉の姿があった

すぐさま彼の横に車をつけて、車内から助手席のドアを開けた(便利な電動スライドドア)


傘を畳みながら助手席に乗り込んだ寅吉は、悪いねえ、とか、済まないねえを連発しておった

俺はいえいえと言った後、コーヒー飲みながら帰りましょうと答えると、彼はニッコリと微笑んだ

コンビニのコーヒーが好きな人なのですよ

以前はよく一緒に飲んだのだけど、この1年は一緒に出かけることがなかったので、この日は超久しぶりだった


セブンイレブンで赤いカップのコーヒーを買って戻ってくると、寅吉は大人しく待っておった

目を閉じて、半分寝てるような感じだった

それでもコーヒーは割と早く飲んでいた

体が冷えていたのもあるかも知れないが、早く飲み終わって横になりたいと思ったのかも知れない

寅吉は空になったカップをカップホルダーに差して、助手席の背もたれを後ろに倒した

俺の車の助手席は旅客機のファーストクラスとまでは言わないが、それに近いくらいの快適な空間を確保できるのさ

こないだの日曜日に迎えに行った時に、助手席をベッドにする方法を教えたのよ

それを覚えていたのだろう、後部座席に置いてあるミカン箱を俺が助手席の足下に置くと、寅吉は靴を脱いだ足をそのミカン箱の上に投げ出した

そこから約1時間、無言のドライブ

助手席に死体を乗せてるような感じだった

それでも到着した時には、寅吉はちょびっと元気になっていたように思えた

ほんの少し寝たからか、奥さんが迎えに出てきてくれたからかな



この日は寅吉の奥さんから電話があったのですよ

疲れていたらホテルにでも泊まるように主人に言ってくださらない?って

奥さんが心配するくらい寅吉は疲れがピークに達していたのだろう

ホテル取りましょうか?と聞いたのだが、いやいや帰るよと言うもんで、寅吉のシフトを操作して、来週の月曜日まで休みにした

代わりに俺が入れば問題ないから

そういう作業をしていたら、いつの間にか寅吉は職場を出てバス停に歩いて行ってしまったのだな


来週は小料理屋で美味しいごはんを食べさせてもらえそうだ

それを楽しみに頑張る所存