話題:妄想を語ろう
「鯉登少尉、店まで行ってはダメだろ」
「は、済み‥うう」
机に頭を擦りつけ
唸る鯉登
「ほらもう止めなさい、鯉登。頭を擦りつけるの止めなさい」
ごりごりごりがり
10分後
「気は済んだか」
身体を縮め
深く頭を下げる鯉登
まだ鶴見中尉の目が見られないらしい
「‥そんなに彼女が気になるのか?鯉登」
鶴見中尉の言葉を聞き、俯いたまま何度も頭を下げる
「また勝手に店に行っても困るからな‥よし、分かった」
鯉登少尉の肩に
手を置き 囁く
「明後日、コッソリ見に来なさい」
「明後日‥」
「私と彼女の秘密だ‥それを鯉登少尉にだけ」
―伝える
「鶴見中尉殿‥」
肩に置かれた手は
なんだか妙に
熱かった。