紅茶一杯。



シンデレラストーリー(バトン)
2013年4月24日 15:15

ヤンデレGLになってしまったんだよ。
(苦手な方ご注意下さい)


君に伝えたいことがある。の作者です。
前回使ってくださった方、
ありがとうございますっ

また適当に置いてゆきます
今回はシンデレラの話に合わせてみましたが…
使いづらいかもですね(´・ω・`) ←


・灰にまみれた日々
毎日毎日虐められに学校に行く私を
あなたはどう思っているんだろう。
見上げれば、その先に居る元親友が顔を歪める。
「見てんじゃねーよ」
チョークの粉を頭から被って、咳き込む私を笑う。
「なんで、」
「喋んな」
容赦なく平手が頬を打つ。周囲からはゲラゲラ笑い声が上がる。
(なんで…)
そんなに辛そうな顔を、貴女がするの。



・辛くても笑うんだ
何も知らない両親に、何も教えない私は明るい子供を演じる。
教師は気付いて居ても見てないフリがとても上手。
出会してもソレに触れず普通に話す、そのスルー力は素晴らしい。
私に傷が増えていても、にこやかにさようならをする先生に、私もさようならと笑顔で返す。
味方なんて居ないけれど、作ろうとしない私も悪い。



・意地の悪い女たち
「あんたが悪いんだからね」
「あんたが先にあの子傷付けたんだから」
元親友の取り巻きに囲まれる。
ピーチクパーチク小鳥みたいに五月蝿い子達
「…退いてくれる」
「スカしてんじゃねーよ!」
「生意気なんだよオメー!」
髪を掴まれて引き倒された。完全に私を見下している目を向けてくる。
ニヤニヤ笑いながら見下ろしてくる取り巻きに、溜息まじりの笑みを返した。
「なにそれ。あんた立場解ってんの?」
あの子の笠を着て、偉そうにふんぞり返るこの子達に笑いそうになって唇を噛み締める。
気を抜いたら笑い転げてしまいそう。
「気っ持ち悪いわね本当に!」
小突くように蹴りを入れてくる取り巻きの足を掴んで、引き倒した。
何が起きたのかと茫然とする二人に、掴んだふくらはぎに爪を食い込ませる。
「覚えておいてね。私は貴女達には、大人しくしている必要は無いのよ?だって貴女達に私は何も償うものがないもの。ね、解るわよね?言っている意味が」
食い込んだ肉から血が滲んで、掴まれている子は泣き叫んで居た。
もう一人の子も震えながら取り巻きの子を助けようと腕を引くけれど、私は笑いながら小首を傾げ
「先生に助けを求めても良いのよ?」
とアドバイスしてあげた。見て見ぬ振りの大好きな先生に、と。



・君からの招待状
白い便箋には、懐かしい字が並んでいる。
「どうして、こうなっちゃったのかな」
文字をなぞる。並ぶ言葉は攻撃的で、私を責めるものばかりだけれど、懐かしさに顔が緩む。
同じ字で、沢山やり取りをした昔を思い出して、笑みが零れる。
「本当は、もう解ってるよね」
私が悪くないってこと。好きな気持ちは、どうにもならないって事。
「裏切った事なんて、ないよ」
裏切り者、と書かれた文字にそう返す。
手紙の最後には、いつも待ち合わせ場所が書かれてる。
行ったことは無い。行くつもりは無い。
「仲直りじゃないなら、行かない…」
行って最後になるくらいなら、痛くても直接会える毎日の方が良い。
貴女が終わらせたくなってきてるの、解るよ。



・馬車に乗って
皆の前で私を罵る貴女は、どんどん苦痛を顔に出すようになった。
周りは気付かない。私にだけ向けられた表情。
鋏で切り取られた髪に、周りは盛り上がったけれど
私は貴女がそれをポケットにしまうのを見ていた。
見下す言葉を吐きながら、鋏を持つ手が震えているのに気付いてた。
帰り道、駅のホームで電車を待つ。
髪は一部悲惨な事になって居るけれど気にしなかった。貴女がやった事だから。私に拒否権はないから。
ホームにアナウンスが流れ出すのと同時に、バタバタと荒い足音が聞こえてきて、振り返ろうとしたら腕を取られた。
引きずられた先は、反対側の電車の中だった。
状況を把握出来ない私の隣で、荒い息をついてる貴女が横目で見てきた。
「…っはぁ、一緒に、来て」
手を繋いだのは何時ぶりだろうと、貴女が繋いできた手元を眺めた。ガラガラの車内で、更に人の居ない車両に連れて行かれて、並んで座った。
久々の貴女のハッキリとした感触に、色々な感情が込み上げてきた。



・あなたとワルツを
海はまだ季節が早くて、少し荒れていた。
人気が全然なくて、寂しげだったけれど私にはどうでも良かった。この手の温もりだけで何もかもが許せる気分だった。
「…ごめんなさい」
前を歩いていた貴女が立ち止まって謝った。
「彼氏だった訳じゃないし、告白した訳じゃない。なのにアンタが好きなんだって知って、嫉妬に狂った。アンタに全部責任負わせて、八つ当たりした。…大好きだったから……本当にごめんなさい」
肩を震わせて泣く貴女を眺める。
振り返ると、泣きながらもう一度謝った。
「すごく綺麗だったのに、ごめん」
長さがバラバラの髪を触りながら謝る貴女に、苦笑する。
「もう良いよ。仲直り、しよ」
繋いでいた手を離し、両手を差し出すと貴女は泣きながら、ごめんなさいと抱きついてきた。
(ああ、ご褒美がやっときた)
貴女がくれるものは、何でも嬉しかった。
嫉妬ですら、幸せだった。でも、その理由はとても嫌いだった。
貴女以外からの痛みは要らない。喜びも要らない。
私が欲しいのは、必要なのは、貴女だけだから。
抱きしめる腕に力がこもる。体にぴったりとフィットするこの感覚が凄く好き。
(今ここで時間が止まれば良いのに)



・夢の終わり
繋いでいた手は、分かれ道で離れてしまった。
名残惜しさに見詰めれば、同じように見詰め返してくれる。
また明日と別れながら、何度も振り返っては彼女の背中を眺めてた。
夜ベッドに入った時に、漸く明日が怖いと不安になった。
明日からの私達の関係はどうなるのかと思うと、なかなか寝付けなかった



・お別れの時間
五月蝿い取り巻きの小鳥ちゃん達が周りを飛ぶので叩き落としてあげた。
登校してきたご主人様にピーチクパーチクさえずるのを遮って挨拶をすると、昨日の海の時と同じように返してくれたので、夢じゃ無かったんだと安堵した。
取り巻きは目が点になり静かになって、それからまた五月蝿くなった。
「ごめんね、もう仲直りしたんだ」
元々手を下してたのは本人だし、周りは勝手に見物してニヤニヤしていただけだった。
取り巻きは勝手に仲間面をし始めて手を出して来ただけで、命令されてた訳じゃない。
手のひらを返して非難してきたけれど、二人でスルーした。
捨て台詞を吐いて去っていった取り巻き達はそれから特に何かしてくることも無かった。会う度に嫌味を言うくらい。巻き込まれていい迷惑よねー!と騒いでいた時は、ちょっとだけ笑った。



・ハッピーエンドは突然に
仲直りをしてから、貴女は何をするにも一緒に居たがった。
まるで贖罪するように私を甘やかしてご機嫌取りに勤しんでいた。
可愛くてかわいそうで愛しい人。
私にとって今の状況は願ったり叶ったりだ。
私にとってはハッピーエンド。
じゃあ、貴女にとっては…?
(いつか突然この幸せが終わっても良いように…)
貴女の全てを、貪っておこう。
幸せな、今のうちに。
思い通りに出来る、今のうちに。



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因みに、親友に対しての『償い』は、やましい下心を親友に抱いていた、という懺悔からの八つ当たり受け入れですた。


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