紅茶一杯。



お題バトン
2012年4月10日 13:58

二度目まして。


前回お題を投稿させて頂いた者です。
今回もどうぞよろしくお願い致します。

お気に召して戴けたら幸いです。


  ◇  ◆  ◇


・左薬指の見えないそれ
約束の言葉
風化するまえに
期限が切れる前に
守りに来て
薬指の予約
見えない指輪
期限が近いの
あなた今どこにいる?
寂しげに待つ薬指
もう我慢も限界近いの
あなたは言ったわね
待ってて欲しいと
透明な指輪を薬指にはめて
溶けるように効力が切れそう
早く来て
私も見えなくなっちゃう
早く来て、早く来て、早く来て

「時間切れね…」

さようなら、愛しかった人



・嘘つきの本当
いつも嘘ついて
君をからかってた
だから本音が伝わらない
本心は君に笑い飛ばされた
嘘つきな僕に
疲れてしまった君
伝わらなかった愛してる
これは自業自得
だから僕は泣いちゃいけない



・正直者の嘘
初めてついた君の嘘
よりによってそれなのか
もっと可愛いものなら良かったのに
「これは酷い」
言葉に出したら、涙が止まらなくなった
なにも知らなかった
君は完璧に僕を騙した
拍手を贈りたいから出ておいで
君の残した服を抱きしめた
君の匂いに、声を出して泣いた



・失った記憶に
鍵をかける
僕ではない誰か
忘れて良いよって
優しい声が降る
今目の前で微笑う
君に似た声だよ
だからこそ
君に言えない
君が忘れろと言うのなら
僕は思い出さない方がいいんだきっと
失った記憶なんか要らない
君が居ればそれで
僕はそれだけで



・つめたいあたたかい
冷たい君の手に
頬を覆われる
僕に降る君の雨は
温かくて切なくなる
おかえりと泣く君に
なにも知らないまま、ただいまを言う
僕の体は血だらけでくさいけれど
君が幸せそうだから、まぁいいや
君が誰か解らないけれど、大好きな君が笑うなら
僕はなんだっていい



・戒められた心
良くできてる僕だから
ちょっとの事で揺らいだりしない
我慢なんて得意だから
今君が無防備に寝てる姿に見惚れては居ても
生唾を飲むくらいで我慢出来てる
君が僕の名前を呼んだけれど
荒ぶる右手を左手で押さえ込めた
寝相の悪い君が布団を蹴飛ばしても
僕は紳士に君に掛け直すよ
少し触れた指先に
痺れに似た快楽が走り抜けたけれど
今日の献立を考えて吹き飛ばしたよ
キリキリと自分を戒める
実はこれ、嫌いじゃないんだ
君のおかげで新しい世界が開けたよ



・黒い翼の涙
しあわせそうなあなたのカオを
みるのがうれしい
あのヒトにあってから
よくわらうようになった
すこしさびしげな
あのえがおも スキだったけど
やっぱり、こっちのほうがステキだよ
ぼくだけがしってた やさしい、さびしい、ほんとうのえがお
もうナイけれど
すこしさびしいけれど
しあわせそうな あなたがいるから
ぼくも うれしいよ
うれしいんだよ



・綺麗事なんて言わないけれど
だからって
徹底して汚くも生きられない
中途半端だと叱る君は
だけど大切にしてるものがまだ残ってるのを
僕は知っている



・ごめんねごめんね。愛してる
見えない糸を首に巻く
何も知らないお前は笑ってる
無邪気な笑顔にくすぶる黒い気持ち
巻き付く糸はいつも
お前を想うと絞まるんだ
独り占めしたい気持ち
独り占めできない現実
お前は俺以外の奴のものだから
お前は俺だけを選ばないから
くすぶる黒い気持ち
時々中毒を起こしそう
巻き付く透明な首輪
お前はそんな事にも気付かない
力を込めたら呆気なく動かなくなるくせに
そんな純粋な瞳を向けてくる
お前を愛おしいと想う度に
首輪を絞めたくなる
もう誰も見ないように
もう帰る必要なんてないように

今ここでお前を。



・腕を伸ばせば
届く距離
だけど私は出さなかった。
助けてと泣くあの子に
「私も何度も何度も叫んだんだよ」
と笑う。
蒼白するあの子にさようならと告げて、拾った重たい石をあの子に落とした



  ◇  ◆  ◇

詩、イラスト、小説等お好きにお使いください。

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久々にやったけどやっぱり暗くなる。


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