良い所取りだね




 2.3日前に


 「羊ちゃんにやらせるか」


 と でかい声で
 遠くで連呼してる班長


 そして呼ばれた自分


 なんか訳解らん
 仕事を貰って


 急ぎなんだろうなぁ〜


 ぼんやり思ってた


 貰った手の仕事は
 いつもサイが優先で
 呼ばれる様な
 仕事の内容だった


 少し不思議に思いながら
 複雑な配線をこなす


 少し形になって来てから
 班長は
 チラチラボクの進み具合を
 気にして居た


 いつの何時までに
 要るとか聞いて無いから
 マイペースを崩さず続行


 そんな中ミネが
 ボクの疑問を
 ボクに投げかけて来た


 「あんたどうしたの?珍しい所に居るじゃん。その手っていつもサイがやってる様な奴じゃん?」


 「そうですよねιなんか…ボクにやらせるか…らしいですよ」


 「本当に???まぁっ」


 それから黙々と
 仕上げの段階まで
 進めてった


 もう少しで
 仕上げの段階って時に
 ホソ係長様来て
 渋い顔で


 「明日の出荷に間に合うかな?」


 はっ? 明日…・・・


 「もう少しで仕上げに入りますけど…」


 ホソ係長様は
 無言で仕上げをし始めた


 そこにタイミング良く
 班長がサイを連れてやって来た


 「手伝う?サイちゃんあいたから」


 「手伝えるならやって」


 そこで決められ
 仕上げはサイがする事に…


 ボクは仕上げ前で
 両手を手放した


 そんで
 なんかまた違う仕事貰って


 あれやって


 これやって


 ホソ係長様の
 我儘を聞いて
 グルグル回されてる気分だった


 少し落ち着いた頃に
 ミネが来てボクに言った


 「あの人っていつも良い所取りだね。私の時もそうだし。絶対に前加工しないよね」


 ミネがボクの思った事を
 全て口にした


 仕上げまでやりたかった…


 ボクにやらせるか


 って 何?


 初めからサイにやらせれば
 良かったじゃん…
 後任すならさぁ…


 …と


 この気持ちを
 ミネがくみ取るとは
 思わなかったけど
 ちょっと嬉しかった…