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まわりなんて、もう



あたしが今のまま、リョーマと付き合ってたら彼に迷惑をかける。それは自分でもわかってたし、彼の親衛隊だか何だかから言われることもしょっちゅうだった。だけど、意外と夢見る乙女だったらしいあたしは、愛があれば平気だと思ってたんだ。
…でも、駄目だった。


「…は?なに言ってんの」

「聞こえなかった?もう終わりにしようよって言ったの」

「何で」

「何でって…わかるでしょ?」

「わかんないから聞いてるんだけど」


そう言ったリョーマの強い視線はあたしを射抜く。あたしはこの強い瞳が好きだった。けど同時に、見透かされてるようで苦手でもあった。


「あたしの悪い話、知らない訳じゃないでしょう」

「…あぁ、男遊び激しいってヤツ?でも昔の話でしょ」

「ホントにそうなのかな。あたし、昔から男を騙すの得意だから」

「…俺も騙してたって?」

「そうかもよ」


そう言うと、リョーマは黙ってあたしを見つめる。負けないように見つめ返してみたけど、結局耐えられなくてすぐに逸らす。そして精一杯の強がりを吐いた。


「はっきり言わなきゃわかんないみたいね。…遊びだったの、リョーマとのこと全部」

「………」

「年下で、あたしのこと知ってもアタックしてくる君に興味が沸いた。だから付き合ってあげてたの。でもそれも今日で終わり、飽きたのよ」

「ふーん」


リョーマは変わらず強い眼差しのまま。動けずにいたあたしは、彼の足元を見るしか出来ない。
早く、早くいつもみたいに「あっそ」とか言って立ち去って欲しい。これ以上、リョーマに酷い言葉をぶつけたくない。その思いが、あたしを包んでいた。


「で…言いたいことってそれだけ?」

「…そうよ」

「じゃ、今度は俺の番。アンタは何で泣いてんの?」

「は…?」


思いがけないその言葉に顔を上げると、頬に一筋流れた雫。それがリョーマの指摘する涙だと気付くのに時間は掛からなかった。


「…無理に嘘吐いてんじゃないの?」

「そ、んなこと」

「さっきから俺のことちゃんと見てない。言葉尻も震えてた。加えてその涙…どう見てもバレバレの嘘吐いてるじゃん」

「…………」


その言葉に、あたしは何も言えなかった。言い返す言葉が何一つ出てこない。おまけに余計涙は溢れて視界が霞む。
すると、小さく溜め息が聞こえて温かさを感じた。
…リョーマに、抱き締められてる。


「ちゃんと本音で答えろよ」


耳元で低く響く声にギュッと背中に手を回す。瞬間、ぐっと胸に切なさが溢れた。


「俺のこと嫌い?」


静かに首を振る。


「…じゃあ、好き?」

「………っ」


その質問には、溢れる涙の所為で答えられなかった。
泣くまいと思っていたのに。泣いては駄目だと思っていたのに。
まして、リョーマの腕の中でなんて。


「誰に何を言われたのか知らないけど、俺はアンタを離すつもりないから」


更に力強く抱き締められる。あたしの方が先輩なのに、後輩であるリョーマの腕にすっぽり収まってしまうのが悔しいような恥ずかしいような気分。

でも、…離れたくない。


「まだ別れたいなんて言う?…センパイ」

「……っばか…!」


あたしの気持ちを知ってか知らずか、生意気で優しい後輩兼彼氏は少し笑った。






まわりなんて、もう
(気にしなくて良いから)
(俺から目を逸らさないで)



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な ん だ こ れ 駄 作 か /(^Q^)\
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