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融 解

RBNで炉心融解@べる(またはつな)ざん

頭悪いのは知ってます

そーれはいわねぇって話だぜ!
だって男はハートで勝(ry
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避難そのに

寡黙。
強いて言うならば。

歴然と。
自分との差が見え、嫌悪。

「いやになるんだ」


吐いた言葉が孕むものは、淡い透明。

「俺にないものばかり持ってるから」

例えばその壮絶な怒りに其れを含有する紅の双玉そして思わず跪きたくなるいっそのこと奪い取って仕舞い込みたくなるような支配性。


「壊したくなる」

吐いた言葉が孕むのはやはり、
淡い透明。

「壊しつくしてばらばらにして、俺に屈してほしくてでもやっぱり屈してほしくないんだ」

「壊したくなる」


「ねぇ、俺が言ったことは純粋だからちっとも変ではないよね」



どの言葉も、透明度が高いものを孕んでいた。


避難そのいち

聖堂。

高い天井は建築様式のひとつ。


聞こえもしないパイプオルガンの、キイを叩いた音が聞こえた。

目の前の神は。
どこか消えそうな雰囲気を纏い、しかし圧倒する何かを有する。


見下ろすは、神の下僕。
神はひたすら前を見つめていれば良い、省みることは赦されない。
(そんなことをしては駄目だろう
何しろ振り返るなんて云うのは人のすることだからな)


このまま棲みついてしまおうか、そうとも思える心地良さが此処にはあった。


コツン、一歩踏み出す度に踵が鳴らす音が反響する。
後を追うように、髪と羽飾りが宙を舞い、自由を謳歌。

(懺悔に赴く罪人のようだ)



ふと、ヴァルハラとはどのような所なのかと思う。
死後、戦士が集う最後の楽園。
赦されるとは到底思えぬが。

(そういえば)
省みて悔いる、其れができないことは、神と似ている。




X綱百合注意(企画用)

さあぁぁ,と風は髪を弄ぶ。

隣の少女はサンディブラウンの彩りを持つ軽やかな髪を若草に広げ,正しく少女のように眠っていた。


「綱吉,翼が欲しくないか」
無論,返答は存在しないし求めていない。
多分,彼女は酷いほど純粋で,穢れを一握りも知らないだろうから,淀みの無い潔白な,それこそ四大天使のような翼を持つことができる。
反面自分は装飾を加えても,結局は目の眩む白さ,洗練された鮮烈の白は与えられない。
きっと。

「堕天使がお似合いだろうがな」

嘲笑う,そしてどこまでも嫌悪感が付き纏う。



さあぁぁ,髪は闇のような漆黒すぎる色。
性質上,堕天使ならば,髪色だけでも明るく在りたかった。


「Don il vongola」

親愛なるドン・ボンゴレ。
(貴女に愛を,捧げましょう)

彼女が掌握するのは空。
寧ろ太陽を司るのかもしれない。

戯れにシーツに溺れることも在った。
しかし生産的ではない摂理は変わらないから退廃的,最終的には嫌悪に帰着する。


「嫌いだ,お前なんか」

結局は自我に対する感情である。

「いなくなっちまえば善かったのに」

昔から陳腐な言葉は嫌いだった。

「堕ちる気は無いか」


彼女には可能性が無限大に広がっている。
其れはきっと後悔を導くかもしれないが,
それでも。

「…そこまで酷くは無ぇ」


共に,彼方へ。

シャングリラ (下書き)

(第一幕の舞台はリング戦から数年後のイタリア,ボンゴレのヴァリアー邸。スペルビ・スクアーロは彼の主であるXANXUSの部屋に呼ばれていた)


其れは動揺から始まった。

「結婚する」
「…はァ!?」

唐突な宣言。
至って真摯である。

「いやいやXANXUS,少し落ち着こうぜぇ!?そりゃ俺も結婚してぇけどよぉ急すぎじゃねぇか?ああそうか待てねぇのか俺もだぁぁぁぁ」
「クソミソドカス,落ち着くのはてめぇのほうだろうカス鮫。誰がお前なんかと結婚すると言った」

「…え"。
おいおい嘘だろぉ?
そんなこと有り得る訳無ぇだろぉ?なあXANXUS?」

虚しき渇望。
其れを裏切るは現実。

「やかましい。お前は静かにできないのか」

守ると誓った。
ついてゆくと誓った。
剣になると,盾になると。

(思慕か?)

渦巻く。
感情。
嫉妬?


「…明日」

「は?」

「相手はラグロイナのタナムと云う奴」

「おい!ラグロイナって確か敵対していた…!」

「そうだ。同盟を結ぶ代償が俺との結婚」
「これはボンゴレの決定だ」


「待…てよ!お前,いつからそんな…!」

見据える紅は色に反比例して冷たい。

「てめぇには関係ねぇだろう」


「クソ…っ!」


きっと判っていたと思う。
彼女ならその可能性は在ると。
彼女だからその可能性は在ると。

なのに,何故苦しい?
(思慕なら喜んでるはず)

「そういう訳だ,お前も明日はきちんと身成りを整えておくように。俺に恥をかかせるな,それだけだ」

(斯くして追い出されるスペルビ・スクアーロ。彼は今,廊下でうずくまっている。)


「何,なんかうざったいロン毛の人がボスの部屋の前で邪魔なんだけどー」

「う"お"ぉ"い…お子様王子様は黙ってろぉ…」

「は?お子様とか王子に向かって超失礼ってゆーかカス鮫のくせに生意気なんだけど」

「何も知らねぇガキは黙ってろぉ!!」

「しし,王子知ってるし。ボスが結婚すんのが嫌なんだろ?」

嫌?
嫌なのか?
あいつのことを思うなら喜んでるはずだろぉ?

何故だ?

「嫌…じゃねぇ…」

「嘘つき。だったらそんな酷い顔しないし。あ,元々酷い顔か,ごめんごめん。
だけどほんっと嘘が下手くそだね,スクアーロって。
ボスの結婚がすげえ嫌なんだろ?
其れはさ,お前がボスを好きだって云う証拠。
まったく,こんな所だけは変に鈍いよね,もしかして演技?どっちにしてもバレバレだし意味ないけど見て面て白いから善いや」
「う"お"ぉ"い…俺は好きとかそんなことねぇぞぉ…
大体剣士が主を好きになるとか有り得ねぇだろぉがよぉ」

好き?
俺,が,XANXUS,を?

「実際有り得るし,俺の目の前とか。
言っとくけどさ,ボスもきっとお前のこと好きだと思うな。」
ボスもシュミ悪いねー,鮫なんかより王子にすればよかったのに。

嗤う王子もとい怠惰の悪魔。
言葉に潜む刺は本人曰く愛嬌だとか。


(結婚前夜はこうして幕を閉じる。そして第二幕。時は結婚式の当日,場は新婦の控室)

「う"お"ぉ"いXANXUS…って危ねぇだろがぁ!いきなり物を投げるなぁ!」

「ふざけるな,新婦の部屋に新郎でもない男が,ノックも無しに堂々と入るのか?カス鮫」


言葉こそ悪いが見てくれは完璧な花嫁である。
以前より長くなった黒の癖毛は芸術的に結い上げられ,繊細な銀の環を抱いている。

「綺麗,だぁ」

無意識に漏れる言葉。
何故?

「…ああ。恋人同士みたいなことを言うな,お前」

恋人ではない?
好き?
真意は?

(葛藤するスクアーロ。ノック音がしてラグロイナファミリーのボス,タナムが入室する)

「失礼…おお,やはり美しい。
会合の時も思いましたが,本当にお似合いで…
おや,そちらの方は?」

「ごきげんよう,ドン・ラグロイナ。これは私の護衛ですの。下がらせましょうか?」

彼女の双眼が語るは「従え」。
意見は許されない。

「ええ,できれば…」

「了承いたしました。スクアーロ,下がれ」

「…お"う」


(余儀なく退室させられるスクアーロ。するとディーノがスクアーロのもとへ)


「おーい,スクアーロ?」

「…」

「カスクアーロー?」

「う"お"ぉい跳ね馬ぁふざけんなぁ誰がカスだぁ!」

「あ,やっと気付いた。
てかお前どーすんの,XANXUSの結婚。嫌なんだろ?」

「嫌…だぁ,あんなオッタビオみたいな奴とXANXUSが結婚なんて」

「そっか,じゃ止めに行こう」

「う"お"ぉい!なんでいきなりそうなるんだぁ!!」

「え?だってもう皆お互いに好き合ってるの知ってるしバレてるし。多分相手のタナムもだけど。
ほら,いつもの勢いは何処?早くしないと間に合わなくなるよ?」

(新婦もといXANXUS,控室から出て行く)

「ああっ!XANXUS行っちゃった!
ほら行けよ,止めろよスクアーロ!」

「う"お"ぉい俺は別に「善いから行け!!俺も皆も,お前が好きなXANXUSが『ボンゴレの為だ』とかなんとか言って望まない結婚をするのを見たくないんだよ!!」

咆哮する馬。

「…俺だってXANXUSが…好きだぁ。だけど…」

「莫迦!!こんなのいつものスクアーロじゃない!好きなら行けよ!XANXUSに辛い思いをさせて善いのか!?」

(押し問答する男二人。そこに教会の鐘が鳴り響く)

「…式,始まっちゃった…急げ!」

「お"う…!」

(波瀾の第二幕終演。第三幕の舞台は教会。厳かなパイプオルガンの音色の中,新婦が父親の九代目と新郎のもとへ向かう。)

「…XANXUS,嫌ならそう言えば善かったのに」

「そうはいかないよ。他からの介入がない限りね」

「雲雀さん,其れって…」

「君の推測は間違ってないよ,あいつは必ず来る」


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