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続かないSS
「あ〜!阿含さん練習サボって何してんすかー!」
糞黒子がでかい声で叫ぶので視覚と聴覚をそっちに向けた。
「テメエに女が出来ねえからって拗ねんな」
「拗ねてないっすよ!俺だって試合に出ればきっと彼女出来るっすよ!!」
「あ"〜無理無理。キャッチだけじゃモテねえよ」
「鬼酷いっす!」
糞ドレッドは今から女とデートか。
女の方は他の大学の金持ち娘…こりゃ今日は糞ドレッドは糞坊主の部屋に帰ってこないな。
「よ〜糞坊主。腹減ったから手料理食わせろ」
「去れ悪魔。餓鬼に食わせる飯はないわ」
「安心しろ。材料は持ってきた」
「なら帰って自分で料理して自分で食え」
普通の奴なら俺の手帳が怖くて言うことを聞くがコイツに弱みはないのか絶対に聞かない。
まあ、これくらいの拒絶は想定内。
アメフトから離れたコイツなら簡単に先が読める。
「平天はんぺん大根ジャガイモ蒟蒻その他。おでん作ろうぜおでん。鍋は一人じゃ美味くねえんだよ」
「…………………大学の友人と食べれば良いじゃないか」
反論まで随分と間があった。こうなると糞坊主攻略は結構簡単だ。
「俺はお前と食べたい」
他の誰かと比べて自分を選ぶ奴に糞坊主は特に甘い。
それが糞坊主の育てられた環境にあって、それを上手く利用するのが糞坊主攻略のコツだ。
「少しは手伝えよ」
「ケケケ、皿くらいは洗ってやるよ」
「そういって洗った例ないじゃないか」
はあっ、と溜め息を吐いたら俺の勝ち。
テメエの味付けは甘いが勘弁してやる。さっさと作れ。
後日、嫉妬した阿含がおでんの材料を持って雲水宅にやって来た。
おでん食べたい・・。