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巨大なヤマダ電器に入場するとボーナス直後の週末という事もあり人並みが押し寄せていた。
「じゃぁ、後ほど会いましょう…」
そういって入り口で友人カップルと別行動をとった私。
が、しかし、広すぎて携帯ショップコーナーがどこなのか分からない。
酔っているせいもあるのか、泣きっ面でカップルの後を追う。
「携帯どこにあるんだよグス。」
友人カップルは冷蔵庫を購入しようとしていた。
「携帯はあっちです。ところでエンドルさん、大きなロックアイスが製氷できる冷蔵庫を探しているんですよ。」
「そんなもん店員さんに聞けば一発じゃないか?」
おかしなこと言うなぁ…
「それが…」
老婆心を出した私は近くにいた店員に声をかけた、「ちょっとチミ!大きなアイスが製氷できる冷蔵庫をくれたまえ!」
二十歳くらいであろうか、幼さの残る男性店員が立ち止まり即答をした。
「ないんですよ…すいません。」
そう言って足早に去って行った。
「ね?」Tがそら見たことかという顔をした・・・
私が来る前に既に店員に軽くあしらわれてしまったようだ。
…駄目だろヤマダ電器…今100万円は使おうかとしているお客を失ったぞ。
私が店員ならば迷わずこんな対応をしていただろう。
「お客様、あいすいません2008年の現時点ではそのような機能を備えたナイスな冷蔵庫は世界中のどの電気メーカーからも発売されていないようであります。実は私もそのような機能をかつて切望した時期がございましてまるでデジャビュを見ているようでありました。つきましてはこれもなにかの縁、開発者にアドバイス&苦情の電話を入れて…あ、いやそんな力ないか。ハハハ。どうでしょう?こちらの高機能な製氷機能を持ったタイプに私からのプレゼントとして誰でも簡単に大きな氷が作れる魔法のようなアイテム「ロッ君1号」という…ま、言うなればただのプラ型なんですがお付け致します。こちらに海洋深層水等を入れてできた氷でトロピカルドリンクなんかをシェイクして奥様と御飲みになられると最高ですよ?あ、ストローも2本お付けしますね?」
一度声を掛けられたら逃がしはしない。「T」は身ぐるみ剥がされたであろう。
ヤマダ電器、私を雇え。三ヶ月で全国一になってやる。
男の子の新卒店員は学生気分が抜けていないですね。女の子のほうが大人びています。で、2〜3年もすればデカイ面して女の子より仕事できるぞオーラ出すんですよね。
三人はなんだかしらけた気分になり、「ここでは下見だけにします」「それがいい。携帯買ってくるわ」そそくさと一人再び携帯を買いに行く。
今回携帯が壊れた時思い切ってメーカーを変更しようと考えていた。
前々回のSH901からSH903へと変更した時にダイヤルボタンに大幅な変更がなされ男の私にはとても使用が不便になったからだ。
女性用に変更されたのか、
ボタンどうしの間がなくなり真ん中に寄ってしまい、まるで
「片桐はいり」のようになったのだ。
また、SHシリーズはサーバー上で重く、変換に時間がかかる。
というか500字を超えると変換不能になると言っても過言ではないのだ。
この事は私にとって致命的。
自分の場合このブログを書く時にはまずPCで下書きをした後に携帯に転送して携帯からどのように見えるかをある程度コントロールしてから記事をUPしているものだから携帯の操作性は最重要ポイントなのだ。
たまにコメントを残してくれる人のブログを閲覧してみたりする事がある。
簡潔にまとめてあり、短文で写真が添えられていたりして読者の気持ちを引き込むものがあったりすると羨ましくなる。
短くまとめられれば別に重くてもいいのだが、そのようなセンスは自分にはなく、どうしても屁理屈をこねた長文になってしまう。
今更このスタイルは変えられないのだから困ってしまう。
今回だって「携帯を買いに行きました」という内容が気が付けば一万字を軽く超えてしまっている始末。
背に腹は代えられない、やはり今回はメーカーを変える事を前提にしよう。
しかし携帯を使用する者にとって馴れ親しんだメーカー変更は勇気が必要だ。
まずはSH906をこの手に取り「片桐はいり」かどうか確かめよう。話はそれからだ。
携帯ショップコーナーに着くとオレンジのポロシャツを着用したGALのような女性店員がいたので声を掛けた。
「すいません。SH906ちょーだい。」
彼女は私の頭に巻かれたタオルを2度チラ見したがその後その事実は完全スルーして友達に話すようにのたまった。
「うん?SHはこちらの感じになるのね?」
キャバクラで嬢がふざけて使用するのは何度も聞いた〜感じという言葉、初めて生で聞いた。
それにしてもこのフレンドリー&アットホームな感覚…今どきの販売戦略はこんなモノなんだろうか?企業は真剣にこのような接客をマニュアル化しているのだろうか?
ま、いいや。まずはボタンを確認しなくては…そそくさとSH906を手に取った。
一筋の希望を胸に
が…
やはり…
「片桐はいり」…だ…
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