感染〜カンセン
2012/03/29 02:55
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『お嬢ちゃん、お家はどっち?』


「 … この道の…向こう… 」


『じゃぁ一緒だ、こっちおいで』







確か小学校3年生くらいだったと記憶しています。


学校からの帰り道


突然降りだした雨の中
濡れながら歩く私に、


傘をさした初老の女性が
そう声をかけてきました。







傘の中へと入っていくと、

『おばちゃんの腕に
 掴まるといいよ』


と言われた私は、
傘を持った彼女の左腕に
自身の右腕を回しました。


彼女は


『ね?この方が体がくっついて
 雨に濡れにくいでしょ?』


と微笑みながら、傘を私の方へと傾けてくれました。







会話は殆ど
ありませんでした。

いや…もしかしたら
あったのかもしれないけれど、

その記憶はもう今は無く…

時々、自宅への道を聞かれながら歩いたのを覚えています。








自宅の前に到着した私が
お礼を告げると

彼女はニコッと微笑み
雨の中を去って行きました。。。















このとき私は子供心に
とってもとっても優しくて温かなものを感じた事を
今でもハッキリと覚えています。


そしてその「優しい温もり」は、決して冷める事なく
今も尚こうして私の胸を、温めてくれています。






私がこれまでに
たくさんの方々から
分けて与えて貰った
優しさや温かさを、

今度は私が少しでも分けていけたならなぁ…なんて事を、
烏滸がましくも考えたり…





笑われるかもしれませんが…

温もりって感染していくと私は、真剣に思ったりしています。。。






話題:温もりを、ありがとう (感謝)





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