卓郎…貴方はあたしの世界の全てでした。



「貴方」と「私」がいたら、
他には何もいらないと、本気で思ってたの。



そんなことを思ってしまったから、



天罰が下ったのかな?







あんな洋館に近付かなければ、今も平和な日々を送っていたはず。



あの日、どうして…

突然と貴方が「化け物が出る噂の洋館へ行かないか?」なんて、言い出したかわからない。



人生に退屈でもしていたから?



思えば貴方は、自分のことを口に出さないタイプだった。


私は、私のことを卓郎にはたくさん知って欲しくて、いつもいろいろと話してたけど、貴方はいつも、それを笑って聞いてくれてたね。


ねぇ…貴方のことも、もっと知りたかった。




いつもは明るくて優しい貴方が、時々近寄るものを遠ざけるかのような鋭い目で、気に入らないものに当たり散らしてることもあったっけ。


知ってる?陰で貴方は、いじめっ子のタクローくんなんて、呼ばれてることもあったのよ。


あの時貴方は、一体何にイラついていたの?何があ ったの?





あんなにいつも近くにいたのに、何も知らないの。











ねぇ、私に微笑み掛けてくれる優しい貴方と、









気に入らない者全てに、不意に冷たくなる貴方と、












どっちがホントの卓郎(貴方)なの?













まぁ、もう返事が返ってくることはないけど。









私もあの時、卓郎と一緒に化け物に食べられてしまおうと思った。


だって、貴方がいない世界に、


きっと価値なんてないから。


でも、できなかった…









だって、貴方が最後に「生きろ。」って、



言ったから。




ねぇ、卓郎…ズルいよ。






ズルい。









私が貴方の言うことに逆らえないの知ってて、


そんなこと言ったんでしょ?







頭を大きな口で噛られて、痛かったよね?



苦しかったよね?



それでも貴方は最後の最後まで、私を心配してた。



私を守ってくれた。










ねぇ、卓郎。



貴方が居なくなってから、もう何ヵ月も経ったのにね、



こんなに苦しいの。



狂ってしまいそうなくらい…




毎日、毎日…貴方を思い出すの。


貴方が私の名前を呼ぶ声も、


不機嫌そうに当たり散らすその姿も


全部全部…好きなの。














この想いはきっと、何年経っても消えることはない。



貴方が私に残した、







一生「消えることはない呪い。」











会いたい。





















貴方にもう一度…







「会いたいよ…卓郎。」





私は自分の部屋で渦巻くり、震える声で一人泣いた。






















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卓郎だけが青鬼に食われてしまった世界線での、美香ちゃんの語り?的なssです。
中学生とはとても難しい年頃ですよね。
思春期、反抗期等、大人になる成長過程でいろいろある年頃です。ゲス郎要素を入れたくて、卓郎もそんな成長過程で訳もなくイラついてるっぽい表現も入れてみたつもりですが、足りないなぁ!もっと細かく書きたいものです(´д`ι)

卓美香に幸あれ!と思ってるはずが、原作が原作なだけに!(言い訳)思いつくのは残酷なものばかりです(´⊂_`;)
すんません!!!











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