クリスマス記念というか忌念SSです。
先着3つぐらいリクエストあれば答えます。
以下SS本文
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冬の寒さが身に凍みるような時期になった。
薄暗く、あまり治安の良いとはいえないような裏通り。
そこを、なんの変哲もないサラリーマンが歩いている。
黒いピーコートに藍色のマフラー。
彼は、半ばスラムと化したこの通りに似合わない普通さで、逆に浮いていた。
路上で彫刻のように動かないホームレスが、胡乱げに彼を目で追う。
その彼に、声をかけるものがいる。
( ・∀・)「見つけたぜ、サンタさんよ」
まだ若い、細身の男だ。
白い日差しに溶けるような銀の髪を風にそよがせて、白い、毛足の長いファーを首に巻き付けている。
そして、彼はその全体的に色素の薄い容姿に似つかわしくない、赤い服を身にまとっていた。
まるで、彼自身がサンタであるかのように。
( )「なんだ、お前」
( ・∀・)「挑戦者だよ、殺し屋サンタ」
サラリーマン風の男は、若者がそう言い終わるかどうかのうちに、素早く何かを取り出し、駆けた。
アタッシュケースが落ちる音と同時に、甲高い金属音が響く。
( ・∀・)「ふーん。意外と遅いね」
若者は、妙に軽薄そうな笑顔を浮かべて、そう答えた。
彼の手にも、いつの間にか簡素なナイフが握られている。
そして、そのナイフはサラリーマンのもつ匕首を受け止めていた。
( )「ふん、そんなこといってられるのも今のうちだ」
( ・∀・)「そのことば、そっくりそのままお返しするね!」
またも攻撃を繰り出そうとしたサラリーマンに向かって、若者は歯を剥き出して、一層大きく笑った。
赤と銀の風が吹いた。
金属音と共に、肉を断つ音がする。
倒れたサラリーマンに、若者は言葉を投げる。
( ・∀・)「あっけないもんだね。"最強の殺し屋"サンタクロース」
そう、この界隈で"サンタクロース"とは姿の見えない殺し屋のことを指した。
そして、それは最強の称号でもある。
"サンタクロース"の称号を巡っての決闘が、裏社会では繰り返し行われてきたのだ。
( ^ω^)「おっお。面白いもんみせてもらったお」
( ・∀・)「・・・情報屋か」
( ^ω^)「そーんな忌々しげに僕を見るなお。
こいつの情報だってくれてやったじゃないか」
( ・∀・)「お前のそのにやけた顔をみると虫酸が走る。」
( ^ω^)「まーまー落ち着けお。
15年もその座を譲らなかったアレから、サンタの称号を奪ったんだ。
君ももっと寛大にならないものかね?」
( ・∀・)「ふん。
俺はサンタの称号が欲しかったんじゃない。
妹の仇を討ちたかっただけだ」
( ^ω^)「妹さん、アレに殺されたのかお?
君に似てる幼女ならさぞかしかわいかったろうね」
( ・∀・)「あはははは。
生きてるのかもかわいかったのかもわすれちゃったね」
( ^ω^)「それでも敵討ちとは、君もなかなか狂ってるね」
( ・∀・)「さて。最初に敵討ちをすすめたのは、どこの誰だったかな?」
( ^ω^)「うひひ。そりゃ、僕は面白い物をみたいからね」
( ・∀・)「ほんと、お前こそ狂ってるよ
・・・ところで情報屋。ちょっくらみんなにお知らせをお願いしたい。」
( ^ω^)「んー?まあお祝いに特別にただでしてやってもいいお。」
( ・∀・)「それじゃあみんなに伝言だ。
『サンタクロース代替わりのため、クリスマス中止をお知らせします by新サンタ』」
おわり