恒例・新幹線の車窓から。
今静岡でお茶畑を横目に見ながら通過中。
先週の大阪、雨降るかもと思って傘持って行ったら全然で地方の人丸出しという大失態をかましたので今日は傘持ってないんだけど降りそうな気配…どーよこれ。

あ、どうやら今焼津にいるみたいですね。

焼津に海鮮市場みたいなところがあって、魚介が安く食べられるんですけど、そこのマグロが安くておいしいんです!量も多いし超お得ですよ〜。

今日は曇ってるので富士山は見えないだろーな…。

ところで車内の売り子さん、たまに男の人がいるんですけどルークにしてみたらそのままガイルク妄想になった。

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名古屋から品川までの区間。
月に一度のペースで行き来するこの空間が、こんな出会いの場所になるとは思わなかった。

俺は今名古屋にある商社に勤めている。東京にある支店で行われる定例会議に出席するためにいつも利用している8時発の新幹線。いつものように指定を取り、乗り込んだ。今日は少し寝坊して、朝飯を食いそびれた。席に座り、売り子が来るのを待っていた。

しばらくすると前方の自動ドアが開き、ワゴンを持った売り子が現れる。ゆっくりとこちらへ進んで来るその子は、珍しく男だった。朱い髪が印象的な、少し幼顔の男の子だった。

俺はすみません、と声を掛けて彼を呼び止めた。
パンとコーヒーをもらい、お金を渡した時だ。

新幹線がカーブに差し掛かり、彼はバランスを崩してこちらに倒れかかった。

「あっ…!すみません、お客様…!」

「危なかったね、大丈夫かい?」

咄嗟に俺が立ち上がって支えたため、転倒は免れたが、俺に抱きしめられた形になった。
制服の下のその体は想像よりも華奢だった。

「すみません!俺なんか緊張しちゃって…!」

顔を真っ赤にして慌てるその姿を、不覚にも可愛らしいと思ってしまう。
新幹線は高速で移動するため、揺れのないように設計されている。普通にしていれば転倒なんてありえないはずなのに、彼は緊張のあまり転倒しそうになったというのか。
彼を抱く手を解いて、再び席に座った。

「君、もしかして新人さんなのかい?」

「は、はい…やっと研修が終わったところで、まだ慣れてなくて。すみません、恥ずかしいところをおみせしました…」

なんて微笑ましいのか。この初々しさが本当に可愛くて、彼との関係を販売員と乗客というありふれたもので終わらせたくなくなった。

「君、東京駅まで行くんだよね?俺、品川で降りちゃうんだ。」

そう言うと彼は少し残念そうな顔になった。

「そうなんですか…。」

直感で思った。

彼もきっと、俺と同じ事を考えている。

こんなナンパみたいな事を男の子にするなんて、自分が信じられなくて一瞬躊躇したが、それでも自分の感情に素直になることにした。

「俺、ガイっていうんだ。…また、会える?」

「えっ…は、はい…!お、俺、ルークです!よろしくお願いします…!」

俺はさりげなく携帯番号まで書かれた名刺を彼に渡した。

名刺を受け取りながら、またもや赤く染まってゆく彼の顔を見て踊る心臓に、これは、と確信を持った。

 

品川に到着。

彼を乗せて東京駅に向かう新幹線を、見えなくなるまで見送った。
今日の会議は身が入らないだろう。会社には申し訳ないが、俺の心の中は彼からの連絡を待ち望む期待で溢れていて、他事を考える余裕などない。


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なんて馬鹿妄想でした〜☆
ルクたんみたいな売り子いたら絶対呼び止めるのにな〜。
いい感じに品川に到着しました。仕事行ってきます…