ルークの部屋を出て、自分の部屋のベッドに身を埋めながら、また考えの渦にハマっていった。
独りで悩むのがこんなにつらい事だったなんて。
やっぱり俺はギンジさんが好きだ。
それはもうさっき確定してしまった。
問題は、ギンジさんが俺に本気じゃないかもしれないってところだ。
考えれば考えるほど、最悪の結果しか浮かんで来ない。
しばらくして、雨が降り出した。
急に降り出した雨音にびっくりして、時計を見ればもう9時。
…もう、そんなに経つんだ…。
そういえば梅雨に入るとかニュースで言ってたっけ。
何てタイミングのいい梅雨入りだ。俺の心も梅雨入りだ、何て考えてたら、玄関から声が聞こえてきた。
何を話しているんだろう、と思ったが、夕メシに呼ばれて解った。
ガイさんが傘を忘れて、その流れで家に泊まることになったらしい。
ルークにとっちゃラッキーなのか拷問なのか…。
ルークとガイさんの顔を交互に見てみると、お互いに平常を装ってるのバレバレの顔。
二人とも両想いなのに…気持ちを知ってるだけ歯がゆくなってくる。とっととどっちかが告っちまえばいいってのに。
…っていうか、ルークのやつ、さっきの話喋ってねーよな!?
食事が終って、みんなで俺の部屋でカードゲームすることになった。
ゲームになると妙に強いルークに、何故かいつも負け続ける俺。
だから面白くねーんだよな…。ルークのやつハシャぎやがって。俺の気も知らないで…。
まあ何も聞かれないし、この様子だと俺がギンジさんのこと好きになっちまったって事は喋ってないようだ。
ちょっと安心した。
何をしていたって、ギンジさんの事が頭から離れない。
いつの間にか、ギンジさんはこんなにも俺の中で大きな存在になっていたんだ。
今、嫌ってほど思い知らされてる。
ああ…俺がこんな気分だってのに幸せそうにしやがって…。
はっきり言ってお前らイチャついてるようにしか見えねーっつーの!
知らずにはあ、と大きくため息をついていたみたいで、ガイさんに顔をのぞかれた。
…そして、今一番聞かれたくない事を聞かれた。
ギンジさんの事、どう思ってるのかって。
これ、ガイさんにしゃべってもいいのかな?変に思われないかな?
でも、少しでも楽になりたくて、少し迷ったけどガイさんに正直に悩みを言う事にした。
ギンジさんは俺といる時も女から電話がかかってきたりして、俺は遊ばれてるんじゃないかって。
ガイさんの答えは、もちろんNOだった。彼女なんて絶対にいないからって。
でも、次の瞬間、どん底に落とされることになる。
タイミングよく掛ってきたギンジさんからの電話。
ガイさんがギンジさんに投げかけた言葉が、俺の心の奥底でマグマの様にうねる。
まさか、そんな。
でも、それならつじつまが合う。
ギンジさん、
…ホストなんてやってたんだ…!!
俺は、気がついたら家を飛び出していた。
ショック?絶望?
良く分からない、ぐちゃぐちゃな気持ちで、目の前が真っ暗だった。