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R.B.M 番外 せつないいたみ

ルークを拉致って、街からちょっと離れたところにある山に行くことにした。
夏至も近いから日が長くなっててまだ明るかったけど、着く頃には暗くなってるだろ。本当はあんま男同士で行くような所じゃないけど、あえて選択。まだ彼女が居た時に教えてもらったデートスポットだ。
バイクを走らせて30分くらい、山に到着。
そこから更に山を上っていく。山頂付近の公園でバイクを止めて降りた。

明かりがないからかなり足元が暗い上に、絶景スポットは入口からちょっと入った所にある。階段も多いし、腫れ物を扱うようにルークの足元を心配しながら、手を繋いでそこまで誘導してやった。彼女にもそんなことしなかったのに。ルークは男なのに、何故か守ってやりたくなる。

この山は街から離れていないために、夜景がものすごく綺麗に見える。山の中は明かりもないから、本当に透き通るように光の粒が瞬いて見える。こんなロマンチックなものを見せてルークがどう思うかわからないけど、落ち込んでるなら少しでも感動を与えてやりたかった。

失恋したのか、と聞くと、まだ告ってはいないって。じゃあ失恋と決まったわけじゃないんだな。よかった。まだ望みがあるなら頑張れんじゃん。
ルークの事は何でも応援してやりたい。勉強も、恋も一緒だ。

…でも。

さっきから、少しだけ胸の奥が苦しい。何か緊張にも似たような感覚だ。これ、何なんだろう?

とにかく、落ち込んでるルークを慰めて…というか、勇気付けてやりたくて、思い切り抱きしめてやった。
暗闇の中涙を流して俺に縋り付くルークは、本当に…はかなくて、ずっと、守ってやろうって勝手に心で誓った。

それにしても、ルークが恋愛で悩んでるからって俺も一緒に心苦しくなるなんて、俺どんだけルークに感情入ってんだよ。でも、正直な気持ちだからな。

この感情移入の賜物の胸の妙な苦しさを紛らわすため、ちょっと強めにルークを抱きしめた。

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「P」とは?
Passion、Positive。情熱を語り明かしたい自己中の現れです。
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くろのゆうきさんのプロフィール
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誕生日 12月21日
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