この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。
ログイン |
情熱をウザく語りつくすガイルク熱の掃きだめ場。
高層ビルを、エレベーターに乗ってどんどん上へ昇ってゆく。あまりの速度に、耳がおかしくなる。
緊張で、何階で止まったか覚えちゃいないが、扉が開くとそっとギンジさんに背中を押され、誘導された。
てか…
なんでこんなことになってんだろ…?
ギンジさんの部屋だぞ?部屋に行くんだぞ!?
…って、男の部屋に行くってだけでこんなに緊張してる俺も、冷静に考えたらおかしなもんだけど。
「さ、着いたぜ。お手をどうぞ」
部屋に到着すると、ギンジさんはまるで女にするみたいに俺の手を引いてエスコートしようとしてくる。
「え、あ、はい…あの…」
突然手を握られて動揺が隠せずに、顔がみるみる真っ赤になっていくのが自分でも分かる。
ちゅーか、こんなんまるで女扱いじゃねーか!
おちょくってんのかな、この人…!
……ま、まあ、悪い気はしてないんだけど。
俺はエスコートを甘んじて受けて、部屋に入った。
そして。
そこで俺を待ち受けてたのは…
「うわっ…!」
思わず声に出しちまうほどに、すごい部屋だった。
部屋は信じられないほど広いわ、家具は高そうなもんばっかだわ、テレビはインチ数がよく分からんほどでかいわで、俺の頭はちょっとの間動きを止めていた。
「適当に座って待ってなよ。何か飲むモン持ってくるわ」
て、適当にって言われても…!
とりあえずリビングにあるめちゃ柔らかい革のソファーに腰掛けた。
こ、これに座っちゃってよかったのかな…。
「お待たせ。酒と水しか置いてないからさ〜。これでいい?多分飲めると思うよ」
そう言ってギンジさんが持ってきたものは、2つの長いグラス(名前があるんだろーけどよく分からない)と、ピンク色の液体の入ったボトルだった。
…そ、それって、明らかに…
「え!?それ、お酒じゃ…」
「大丈夫だって!パリって、ジュースみたいなやつだから。飲みやすいしおいしいって。」
「そ、そういう問題じゃないです!俺、未成年だし…!」
「な〜に、誰も見ちゃいねーって。な?」
そう言ってギンジさんは蓋を開けると、慣れた手付きでグラスに注いでいく。
…あ〜、どうしよう…。
でも、何故かこの人には逆らえないんだよな…。
俺は意を決して、差し出されたグラスを受け取った。
「ははは。おまえ、ほんっとーにクソが付くくらいマジメ君だな〜。ま、そこがいいんだけどな。俺の手で俺に染まってくってのも、中々いいな〜。」
ギンジさんはにこにこそう言いながら、グラスを口にした。
…何だよ、『俺に染まる』って…
「お、俺はそんな風にはなりませんから!」
俺は、ギンジさんの言葉に反発するように注がれたシャンパン(?)を一気に飲み干した。
あ、これ…甘くて美味い。なんだ、酒って初めて飲んだけど楽勝じゃん。
「うおっ…!やるね〜!
…大丈夫?あんま、無理すんなよ?」
「何言ってんすか、この程度……あ…?」
あれ?
あれれ?
頭がふわーってしてきた…?
「そんなに一気に飲んじゃダメっしょ。あ〜、ごめんごめん。そんなに弱いと思ってなかったから…」
頭がふらついて、体が揺れてるのが分かる。
あー、情けね…。
ギンジさんは俺の横に腰かけると、肩を支えて凭れかけさせてくれた。
ギンジさんって…優しいな…。
あ、いい匂いがする…。
何か、ルークの話聞いてたからあいつの思考回路が移ったかな…?
「なあ、アッシュはどう思う?あいつらのこと」
「え…?あいつら…?」
「ガイとルークの事。俺の勘じゃ両思いだと思うんだけどな〜。ルークはガイのこと何て言ってるん?」
「ルークは…やっと自分の気持ちに気付いたっていうか…あー、そっかー、両思いなんだ…じゃあオッケーじゃん…」
頭がフラフラする中、嬉しい事実を知れて自然と顔がにやっとした。
そっか、そうだったのか。
良かったな、ルーク…。
………ん?
あれ?
…え?
………ええぇ!!
な、何て!?
い、今何て言った!?
驚きの発言に一気に酔いが覚めて、ガバッとギンジさんのほうを見た。
「え!?り、両思いって…え!?」
「やっぱりな〜。ルークもガイの事が好きだったんだな!怪しいと思ってたんだけど、これで確定だな!」
「ルークもって…」
ちゅーか、酒に酔って迂濶な発言をしてしまった。
すまん、ルーク…。
「だって〜、端から見てれば分かりやすいだろ、あの二人!絶対そうだと思ってたんだよな〜。」
「え!?じゃあ、ガイさんもルークの事…!?」
「多分、な。中々認めねーけど、四六時中ルークの話題ばっかだし、扱いが違うし見る目付きも普通じゃねーし。」
「そ、そうなんですか…。」
怪我の巧妙か、危うんでいたルークの未来が明るいものだと分かり、ホッとした。
よかったな、ルーク。
…と、胸を撫で下ろしたのも束の間。
またしても…衝撃の言葉が耳に飛び込んできた。
「アッシュはほんと、マジメだし弟想いで優しいな。ほんと、俺が惚れただけあるわ〜」
ギンジさんはそう言って、肩を抱く力をグッと込めると、俺に頬擦りしてきた。
……え?
ちょっと待て。
ナンだこの状況…?
え?
い、今『惚れた』とか聞こえてきた気がするんですけど…
え?誰が、誰に?
「俺の見込みに間違いはなかったな、やっぱ。一緒に居れば居るほど惹かれてくんだよ、お前に。」
…ちょっと待て。
…待て待て!全然頭が追い付かない!
今、この部屋には俺と…
この、目の前にいて俺を抱き締めてるイケメンだけで。
てか、何で俺男に抱き締められてんの?
もう、何がなんだかわからねーし…!
困惑する頭を抱えながら、更なる言葉が耳元で囁かれた。
それって…それって、だって…!
そういう風にしか捉えられないよ…!
「俺も、お前に惚れてんだ。…俺と付き合ってよ。アッシュ…。」
真剣な顔で目を見ながら言われて。
…本気なんだ…この人……!
自分に降りかかった事態に、ただ呆然とすることしか出来なかった。
性 別 | 女性 |
誕生日 | 12月21日 |
血液型 | AB型 |